short story
□恋なんて知らない
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私はこの17年、恋なんてした事なかった。
高校3年生になった春。
新しい先生や1年生を迎える春。
入学式を迎える前に新しい先生を迎える就任式。
その時、私は今までにない感覚に襲われた。
「かっこいい。」
なんて、私の言葉から出たこともない言葉が出たわけだ。
隣にいた親友の歩美が驚いた顔で
『どーしたの藍花!?恋なんてした事ないって言ってた藍花様が恋ですか!?』
なんて、周りにはあまり気づかれない声で叫んでる。
「恋って決まったわけじゃないわよ!ただ、かっこいいって思っただけよ!」
それに、なぜだか胸の奥がギュッと締め付けられるって感じなのよ。
私はまだ、それが恋だなんて知らなかった。