short story

□恋なんて知らない
1ページ/1ページ


私はこの17年、恋なんてした事なかった。

高校3年生になった春。

新しい先生や1年生を迎える春。

入学式を迎える前に新しい先生を迎える就任式。

その時、私は今までにない感覚に襲われた。

「かっこいい。」
なんて、私の言葉から出たこともない言葉が出たわけだ。

隣にいた親友の歩美が驚いた顔で

『どーしたの藍花!?恋なんてした事ないって言ってた藍花様が恋ですか!?』

なんて、周りにはあまり気づかれない声で叫んでる。

「恋って決まったわけじゃないわよ!ただ、かっこいいって思っただけよ!」

それに、なぜだか胸の奥がギュッと締め付けられるって感じなのよ。

私はまだ、それが恋だなんて知らなかった。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ