めいん!
□情けは人の為ならず
2ページ/4ページ
「円堂監督たちを、知らない?!」
「ええはいそうなりますね、ごめんなさい」
うわぁい!大ピンチの名無しさんです。
家に帰ってニコドーみたいな。
とりあえず謝ったが、ヤバい状況には変わらん。
皇帝陛下並みに有名人だったのか?
「知らないだけだろ?そんなことよりサッカーだ!サッカーをすればここでわかる。」
円堂さんが叩いたのは、自身の胸。心でわかる、ってか。かっけぇ!!
でもサッカーはやらねーよ!!まだ死にたくない。
そこのコロネ!なに『はい!円堂監督!!』だ!
じわり、じわり。数人がじわじわと俺を追い詰める。俺も、そのぶん下がる。
「あ、はは。ねぇ、サッカーは今度でいいのでは?」
「そんなことないですよ、名無しさん先輩!だって俺、今サッカーしたいんです!
ということで、霧野先輩、狩屋、準備OKですか?」
「ああ」「ん、まぁいいよ」
さて、いきますよぉ!ものすごく嫌な予感を察知した俺は、ダッシュで逃げた。
なんか、ヤバい...!
「あっ!!もう、名無しさん先輩ったら!霧野先輩お願いします!!」
――ディープミスト――、です!!
コロネ君の悪魔の呪文(?)が聞こえた瞬間、ばっと周りは霧に包まれた。
嘘だろとか思ってたら今度はハンターズネットとか言ってる。 ヤ バ い 。
とりあえず今まで進めていた足を止める。恐らくネットだから上から掛けて来ると思ったが来ない。
つまり、どこかに仕掛けてあるんじゃないのか、ということ。
ポケット獣のようだとも思った。主に指示の出し方が。
どこだ?今まで進んでいた方向か、逃げて来た方向か、左右か。
...これはヤバい。まさに袋の鼠!!
くっ!と喉をならして気がついた。上、は?
さっきの超次元サッカー。コロネは空を飛んでいるかのようにジャンプした。他の人も。
ここが俺の世界じゃないと仮定し、考える。時間はない。
もしかしたら、重力の関係か?人間のジャンプ力であそこまで飛ぶのは不可能だ。
よし。
小さく呟いた俺は、思いっきりジャンプした。どうやら仮定は合っていたようで。
ハンターズネットに 捕 ま っ た 。
上までネットを...!
「えっへへ、やったね!サッカーできるよ信介!!」
「うん!この人と戦うの楽しみ!」
コロネは携帯型モンスターまで連れていた。まさに黄色いネズミ。電撃でも出すのか!?
ああ、もう私の人生終わった。
ごめんなさいおかーさん。あなたの娘は謎の異世界人(仮定)によってこの世を去ります。
異世界人だと私は思ってるよ?彼らの髪型がそう言ってる。