小説(長編)

□純愛学園物語♪〜下校〜
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「カスミさんは本当
手加減っていうのを
しらないんですからぁ〜!」


シトロンの頭に
大きなたんこぶが出来ていた


カスミから
逃げ切れるわけもなく
追い付かれたシトロンは
カスミに一発ぶん殴られていた


「え…?そんなに痛かった??
ごめんごめん!!
でも悪いのはシトロンでしょー!!」


カスミはカスミなりに
手加減して殴っていたようだが
とても痛かったようだ


「はい、すみませんでした…」


シトロンは大きなたんこぶを
撫でながら謝った


追いかけっこしている間に
カスミの家の前についた


「まぁ今回は許してあげるけど
次は知らないからね〜!」


カスミは
いたずらっぽく言った


「分かりましたよ…
じゃあまた明日会いましょう」


シトロンは
そういって帰ろうとした時、


「ちょっと待って!シトロン!!」


カスミはシトロンを呼び止めた


シトロンはびっくりして
カスミの方に振り向いた


「どうかしました?」


「送ってくれてありがとう…」


シトロンはカスミの
唐突な言葉にきょとんっとした


「あ、いえ!!全然大丈夫ですよ!!
僕の家はカスミさんの
家から近いですし…」


シトロンは照れながら言った


「それと、できれば…
…できればでいいんだよ!?」


カスミはらしくないが
おどおどしながら何か言おうとした


「できれば…何ですか?」


シトロンはハテナマークを
頭の上に浮かべていた


「明日も明後日も…
できればこれからずっと
一緒に学校へいかない??
シトロンがいいなら帰りも一緒に…」


シトロンはポカンと口を開けて
固まっていた


「あ、やっぱり嫌だよね!!
ごめん!!今のなしなし!!
変なこと聞いちゃってゴメンね!!」


カスミはシトロンの反応を見て
今の言葉を取り消そうとした


「…えっ?
あ、僕は全く嫌ではありませんよ?
むしろ僕は明日も
カスミさんを迎えにいって
一緒にいくつもりでしたが…?」


シトロンは
これからも一緒に登下校することを
前提に考えていたようだ


「小学生の頃もずっと一緒に
行ってたじゃないですか〜!!」


「だって…お年頃だし
女子の私と一緒に行くのは
嫌じゃないかな〜って思って…」


カスミは
申し訳ないような顔をして
シトロンに言った


「そんな訳ないですよ〜!!
人に気遣うカスミさんなんて
らしくないですよ!!
カスミさんが宜しければ
僕はどこへでもおともしますよ!!」


「本当!?」


「もちろんですとも♪」


カスミはシトロンの言葉に
嬉しそうな顔をして言った


「ありがとう、シトロ〜ン!!
私シトロンの優しいところ大好き!!」


「…えっ!?」



(だ…だ…だいすき…ですか…!?)


シトロンはカスミの
"大好き"という言葉にドキッとした
そして自分でも分かるくらい
顔が暑くなってきた


シトロンはその場に固まっていた


「…おーい、シトロン?大丈夫?」


カスミは動かないシトロンを
心配して声をかけた


「…はっ!!…は、はい!!
ダイジョーブであります!!
…それではまた後日、伺いますので
よろしくお願いいたします!!」


そう言うとシトロンは
走って帰っていった


(何?あのシトロン?
私が強く殴りすぎて
頭おかしくなったのかな?)


カスミは
だんだん離れて小さくなっていく
シトロンを見ながら思った




(優しいところ大好き…ですかぁ♪
カスミさんと同じクラスで
本当嬉しかったなぁー!!
明日から楽しみですねー♪)


シトロンは カスミに
殴られた事、痛みすら忘れ、
スキップしながら家に帰った
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