小説(長編)

□純愛学園物語♪〜入学式〜
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「ジリジリジリジリ…」


赤いほっぺに黄色いシャツ
ギザギザ模様の
ねずみ型の目覚まし時計が鳴り響く


少女は勢いよく
その目覚まし時計を止め
大きなあくびと、背伸びをした


ベットから立ち上がると
カーテンを開けた


外を見てみると
雲一つない綺麗な青空だった


「うん!!
入学式にもってこい、の天気だね!!」


少女はつぶやきながら窓を開け、
気持ちいい風に当たっていた


「お〜…い、……さぁ〜ん!!」


外から誰かの声が聞こえた


辺りを見渡してみると
金髪の男の子が
真新しい学ランを着て
少女の家の方へ走っている


「お〜い、カスミさぁーん
早くしないと遅刻しちゃいますよ〜」


「分かってるよ、シトロン!!
今から準備するから待ってて〜」


「今からって…」


彼の名前はシトロン
少女の幼なじみである


カスミは急いで
制服に着替え、
食パンを1つ口にくわえ
1つを手に取りシトロンの待つ
玄関に行った


「お待たせ〜!!
ど〜お?似合ってる?」


カスミはシトロンの前で
初めての制服姿を見せびらかした


シトロンは顔を赤らめながら
「に、似合ってると思いますよ!!
…それより急がないと!!」


「なによ!それ!!
もう少し褒めてもいいじゃない!!」


カスミは
頬を膨らませて怒った


シトロンは、
はいはい、と言いながら
学校へ走った


カスミも
シトロンについていくように走った


「シトロン!!お腹すいたでしょ?
この食パンあげる!!」


「えっ?僕はいいですよ〜」


遠慮しない!!
…とカスミは無理やり
シトロンの口に食パンを入れた


「ごふっ!
もぅ!!▽☆◎◇さんどきだらぁ〜」


シトロンは食パンを食べるのに
苦戦しているのか
走るペースが落ちていた


「シトロ〜ン!
早くしないと遅刻するよ〜♪」


カスミは
いたずらっぽく言った


そうやっているうちに
二人の目の前には
今日から入学する学校があった


「ここが私の学校…
よろしくおねがいします!!」


カスミはそう叫び、
校門をくぐった…
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