小説(長編)

□純愛学園物語♪〜授業〜
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HRまであと10分…


ゴンとキルアは
既に教室についていた


「キルアー!!
ちゃんと昨日のこと覚えてる?
カスミと仲良くなれるように
明るく挨拶するんだよー!!」


「分かってるよ!!
ゴンのあとに
挨拶すりゃいいんだろ?」


「うん!!
きっとそろそろくるんじゃない?」


ゴンとキルアはそう会話し
カスミがくるのを待った


(あーあ…、ゴンのやつ
やっぱり覚えてやがった…
てっきり忘れてるのかと思ったぜ…

おはよー、カスミさん…
おはよー、カスミさんっと…)


キルアは少しガッカリしたが
心の中で再び練習していた





HRまであと5分…
カスミはまだ来ない



「遅いね〜、カスミ…
どうしちゃったんだろー?」


「もうこないんじゃねーの?
だってHRまで5分だせ?」


キルアは少し嬉しそうな顔をして
ゴンに言った


「そうかな〜…
せっかく仲良くなれる
チャンスだったのにー」


(ラッキー♪まさかの展開だな〜!!
このまま来なかったら
挨拶なんかしなくていいからなぁ!
神様は完全に俺の味方だ♪


来るなよ〜来るなよ〜…)


キルアがニヤニヤしながら
そう思った瞬間


"ドドドドドドドドド……"


廊下から物凄い音が鳴り響いた
その音は次第に大きくなってきた


「えっ?なになに?」


「なんだよ!?この音!!」


教室にいたゴンとキルアは
状況がつかめず驚いていた


"バンっ!!"


物凄い音がなりやむと
教室のドアが開いた


そこにはカスミと
意識が飛んでいるシトロンが
手をつないで立っていた



「はぁー、間に合った♪
だから大丈夫っていったでしょー?
ねぇーシトロン!…ってあれ?」


「うが…」


カスミは
シトロンが意識が飛んでる事を
知らなかったようだ


「おーい、シトローン!
あんた大丈夫?」


カスミはシトロンの目の前で
手を振ってみせたが反応がない


「…まぁいっか!!」


カスミはシトロンを連れて
教室に入ろうとした時、
驚いた顔をした
ゴンとキルアと目があった


「…あ、カスミ!おはよー♪」


ゴンとキルアは固まっていたが
ゴンが思い出したように言った


「おはよー、ゴン♪
今日もいい天気だね〜!!」


カスミは笑顔で言った


(げっ!キルアもいるじゃん!!
挨拶した方がいいかなー?
いや、あんなやつにしなくていいよ!!
だいたい、挨拶しても
返してくれないだろうし…
ましてや自分からするとか
ありえないし!!)


カスミは
キルアの存在に気づいていたが
あえて無視して、シトロンを座らせ
自分の席に行った


「お、おい…」


キルアはゴンとの約束を果たそうと
カスミに挨拶しようとした


しかし思ったより声が出ない
キルアの声はカスミに
とどいていなかった


(…あー、やっぱやめよっかなー?)


と思った瞬間


「キルア!」


ゴンがキルアを呼び
目で"挨拶しろー!!"と訴えてきた


(挨拶しなかったら
後からゴンが面倒だもんなぁー…)


キルアはため息を吐いて
もう一度挨拶しようとした


「おい…」


それでも
カスミは聞こえていない
カスミは席について
教科書を机の中に整理していた


(こいつ…!!
シカトしてんじゃねーだろーな?)


むきになったキルアは
カスミの席の前に立って
思いっきり机を叩いた


「おい!!シカトしてんじゃねーよ!!
さっきから呼んでるだろーが!!」


カスミは驚いて
教科書を持ったまま目の前にいる
キルアを見ていた


「…な、なにするのよー!!
びっくりしたじゃない!!
何よ!!私に用事でもあるの!?」


カスミはおこりながら
キルアに言った


「ぁあ!?
だから!!…その…なんだ…」


キルアは挨拶するタイミングを逃し
どうしようか迷っていた


「なによ〜!?早く言いなさいよ!!」


カスミは
なかなか話そうとしないキルアを見て イライラしながら言った


「だから!!
おはよー、カスミさん!!」


キルアは怒鳴りながら言った


「………は?」


カスミは全く想像しなかった
意外な言葉を投げつけられ驚いた


「おはよーっていってんだよ!!」


「…あ、おはよー…」


(えー!?何いきなり!?
頭おかしくなったのかな??
ってか怒鳴りながら挨拶する人
初めてみたー…)



カスミは戸惑いながら返事した


キルアとカスミは
しばらく見つめあっていた


(よっしゃー!!挨拶してやったぜ!!
…ってなんで
俺達見つめあってんだよ!?)


キルアは頬が赤くなった


その後キルアは飛んでいくように
後ろの自分の席についた


「やったね、キルア♪」


隣にいたゴンが親指を立てて
"グッジョブ!!"とサインした


それを見たキルアも
親指を立ててサインした



(これで仲良くなった…かな?)



キルアは少し疑問を感じながらも
挨拶出来たことに満足していた
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