テニスの王子様 ネタ02

□詐欺師 02
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 「アンタ何て最初から引き取らなきゃ良かったわ!」
 「もうアンタ何て要らない。早くここから出て行きなさい!!」



 『もう良い…。こんな辛いなら私…っ、』



 私は、いつもそうだった。産まれて一年と三ヶ月。そんな短い期間で、私は実親と引き剥がされた。もうずっと古い記憶で、覚えてはないけど…どうやら私は、虐待にあっていたようだ。それをたまたま隣人が見付け、通報し、親は児童虐待の罪に問われ刑務所へ行った。
 そのまま私は施設へ預けられる事になっていたのだが、運良く年老いたご夫婦が私を貰ってくれた。そして苗字が如月へと変わった。そのおばさん達は私を大切に育ててくれた。本当に優しく、愛されて育てられたものだから、二人が私のお母さん、お父さんだと思い込んでいた。そして、おばさん達と過ごして13年。おばさん達は空へ旅立った。長いようで短い期間だったなあ…ああ、私は幸せでした。そんな想いでまた私は違う家に引き取られた。
 その家は遠い遠い、おばさん達の親戚だそうで。おばさん達はお金で私を引き渡したという。その家は神奈川にあると言うので、急いで身の回りの整理をし、神奈川へ向かった。そこで出迎えてくれたのは若い綺麗なお母さんと、色素の薄い髪の男の子と、髪の長い女の子だった。この家は母子家庭だそうで。そんな大変な家にお世話になるなんて申し訳ないな…と言う気持ちになりながら、「お世話になります」と頭を下げた。そしてまた変わる、私の苗字は如月から仁王になった。

 だが、安定していた私の仁王家での生活が一変する、とある自毛が起こる。身の覚えのない濡れ衣を着せられて、仁王家から冷たく当てられる。だが、そんな少女を陰ながら支えていたのは長男、雅治だけだった。だが、彼が居ない間の酷い扱いに耐えられなくなったユキは、その日を境に家出を決意する。いつまでも優しかった彼にこれ以上心配掛けまいと、彼に内緒でそっと家を出た。


 家出をしたのはいいものの、何処も行き先のないユキは、東京をただウロウロとしていた。電車賃でお小遣いを使い果たしたユキは、煩いお腹を抑えながら歩いた。だが、突然の雨で体は冷え、遂にその場に倒れ込んでしまった。だが、そんな自分を拾ってくれた中学生がいました。


 今日からお世話になるところは、跡部と言う人のお家らしいです。


 大切な“妹”を必死に探す仁王と、大好きな“少女”を精一杯愛す跡部と、家出少女の物語。






 如月ユキ 14歳 中学二年生。
 天然で甘えた。特に欲もなく、料理は得意。立海大附属中学校生徒、途中から、不登校になるも、跡部が勉強を教えてくれる。立海と氷帝のテニス部とは仲が良い。





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