小話
□夢での邂逅
1ページ/2ページ
夢を、見た。
目の前には、茶色の瞳の少女がいた。
「きみは、だぁれ?」
私は問い掛けて、気づいた。
多分、この子は……
「あなたは、だぁれ?」
少女はそう返した。
ああ。きっとそうだ。
何故か分からないけど、確信した。
「私は君と同じ。でも、違う。」
そう思ったから、私は話すんだ。
多少、私の解釈もあるけれども。
「私は、魔女の子だ。悪魔を使って、戦ってる。君は?」
「私は、シ×××だ。×ン××を使って、戦ってる。」
何故か、聞き取れない。でも、自然と頬が緩んだ。
そうそう、確かめたいことといえば。
「人間じゃ、ないんだね。」
…これだ。
少女は首を傾げる。
「あなたは、人間じゃないの?」
語る。
「人間じゃないよ。ホムンクルスであり、魔女から生まれた。"産まれた"ではないよ。」
紡ぐ。
「どうして、×ン××じゃないの?悪魔で戦うの?」
続ける。
私なりの考えも共に。
「分からない。でも、彼らは最初から悪魔じゃなかったみたい。名を、与えられてから。デビルになったらしい。私の考えだけども、"名前"はそれらを"縛る"。だから、デビルという存在になったんだと思うんだ。」
少女は、考えながら答える。
「×ン××には、固有の名前はない。でも、××の国にいるから……?まだ、分からないなぁ……」
そう言って苦笑する。
私はまた、頬が緩むのを感じた。
もうすぐ、目が覚める。
夢から覚める。
「じゃあね、月命」
世界が暗転した。
.