〜真珠ひとしずく〜破天荒三人組と新選組の時空奇譚 壱
□2話 詮議と“はじめまして”
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現代時刻で数分後―――
「―――ここが、どこだかはわかっているのか」
「「「なんとなく/さぁな/まあ一応?」」」
「……どっちなんだ」
三人同時に全く別々のことを言われ、半ば呆れたように男はそう呟く。
とはいえ、三人の言葉はどれも嘘偽りないものであった。
確かにここが彼の新選組の拠点地らしいと判っているので、過ぎるほどに根が素直な和は素直に答え
他方、幾分不機嫌なのもあって確固たる言葉を返してやる気のない不琉木が挑発するように答え
―――しかし事実、「ここ」の世界が何だかよくわからないという意味もそこには含まれていた。
そして、その二人の言葉とその意味の両方を含めた中立的返答を返したのが和輝であり
とはいえ
そんな三人の事情など知らぬ男達としては、首を傾げるしかない返答である。
そうして、結局折れたのは男の方であった。
「――まぁいい。ここは、俺達新選組の屯所だ。昨晩、お前達が出くわした浪士共は俺達が追っていた連中でな。
それをこの二人が仕留める手はずになっていた。だが、そこにお前達がいた。
こっちとしては、連中に関係ありそうな人間をそのまま野放しにするわけにゃいかなかった…ってとこだ」
状況説明を求めたとはいえ、大方想像はついていたので三人が特に驚くことはない。
そうして、男三人が次々と質問を投げかけてくる。
「で、一応聞くが、あの浪士共とは面識があるのか」
「「「いや全く皆無」」」
「なら、なんであんなことになってんのさ」
「と、言われても…それわかったら、あたし達も苦労しないといいますか」
「あそこ歩いてただけとしか言いようないしな」
「つーか、武器なんぞ持ってねえこっちに
問答無用で斬りかかってきたのはあっちだぜ。こっちはそれに応戦してただけだっての」
だよな、と和と和輝が頷きあう傍らで、昨晩の状況を簡潔かつ少し乱暴に物言う不琉木である。
「…見たところ、京の人間ではあるまい。どこの出身だ」
「この喋り方だと江戸じゃない?」
「江戸か……そう言うことになるのかこの場合は」
「でも、茨城県ってちがくないか?」
小声で素早く耳打ちしてきた和輝に、和はフルフルと首を横に振る。
「今それ言っても意味ないだろ。ていうか茨城県の昔の地名言ったら、もっと話がこじれると思う。
忘れたけど敵対関係のある藩だったらやばい」
「だな☆」
「おい、結局なんなんだ」
「あぁまぁ、江戸。江戸近辺」
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