短編
□猫舌子猫(臨也/甘)
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『あちっ…』
フーフーとカップに入ったココアを軽く冷ます。
猫舌だって分かってるのに、臨也がわざと入れた熱々のココアを冷ます。
臨也は、超意地悪だ。
私が前に苦手なものを聞かれて、熱いもの!!と答えてあげたのに、態々湯を沸かしてココアを入れるんだもん。
ムッスーと怒りながらも大好きなココアを飲みたいがために冷ます。
そんな私をニヤニヤしながら見てくる臨也は、ほんとなんなんだろう。
「どう?美味しい?」
わざとらしく聞いてきた臨也の言葉を腹がたってプイッと無視する。
まだ私は怒ってるのに…
「全く…彩華は猫っぽいよね?」
猫?猫は好きだが、臨也の言っている意味がわからず首をかしげてみる。
「猫舌だしさ、
何より…ねえ彩華。さっきまで怒ってたんじゃないの?」
『んー…
どうでもいいかも?』
「そういうところ、猫みたいだよ?」
『んーそうかな?』
なんだか眠くなってきて、臨也に刷りよってみる。臨也の体温は暖かくて眠気が倍増する。
「…やっぱり、猫じゃなくて
子猫かな?」
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『んー?子猫?』
「うん。ココア冷めたんじゃない?」
『ココア!!』
「ほんと、"子猫"みたい」
ー気分屋だけど、貴方に一番なついているのですー