短編
□消えないで(アカシ/悲)
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私には付き合っている人がいる
彼は鷺沼アカシ…
私は無明領域の人間
普通無明領域では、生活できないのだけれど、私は特例らしい
私が久しぶりに東京に入って、付近の学校探検に行って会ったのが、鷺沼アカシという少年だった
私と彼は別のもの
屍鋼になりはしないけど、人間とは言いきれない人間
それでも優しくてその優しさに甘えて…
「どうしたんだ、彩華」
『アカシくん…』
不安そうな顔をしていたであろう私に気を使って話し掛けてくれるアカシくん…
でも、そんな優しさに甘えてしまっては行けないんだ…
もうそろそろ私は…
消えねばならないから…
アカシくんがピンチにあったとき少し特例の力を使ってしまった反動なのだろうか
感覚が遠くなってきている…
『大丈夫だよ
だから、今は甘えさせて…?』
彼の膝元に頭をおき、
膝枕の状態を作る
そんな私のわがままを黙って聞き入れてくれるアカシくん…