短編

□病弱少女と弱虫少年(和人/微切甘)
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目を背けて反らしていただけなのだろう…

次の日先生から聞いた話は、彼女が余命を宣告されていたということと、不治の病だということだ

この事を聞いたとき、なぜ隠していたんだ、幼馴染みだろ?
迷惑はお互い様なのに…

そんなことばかり考えてしまった

そんなこと言っても現状は、
呼吸もままならなく、マスクで呼吸をする彼女の姿

俺の心に、俺は俺を攻めた…

『お、も…い…つめ、ない…で?』

ゆっくりと意識が戻ったとき彼女は言った
そんな優しさにいつも甘えてばかりで…

「俺、強くならなくちゃな…」

『むり…しない、で?』

俺の言葉に応えてくれる彩華
そんな姿を見て口からなにかが出た

「好きだ…」

言い出した口は止まらない

「好きなんだ…
優しくて暖かくて、可愛くて、ときに叱ってくれて、感情豊かな彩華が、好きなんだ…」

だから…

言葉は続く紡ぎ出されるように続く

「死ぬな…
違う、彩華は絶対に死なない…」

そのときの彩華は、今までに見たことがないほど綺麗な笑顔だった…
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