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□スドウくんとマスミちゃん
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【セリフオンリー】
「なぁーあ、シノグゥ。最近な?マスミちゃんがさぁーあ、最近すっげぇぼっとしてんだよーぉ」
「あーそう」
「あんねー、なんかさぁーあ。マスミちゃんさぁ、恋煩いっていうのー?ずっとレモンだかミカンだか言ってるんだよねーぇ」
「へー……。は?なに、掃除好きもっかい言って」
「あんねぇ、シノグ。
俺の名前はさぁ?掃除好きじゃなくて、エニシダね。意味はきれい好き」
「んなこたどーでもいい。マスミがどうしたって?」
「だからぁ、シノグ俺の話聞いてた?
マスミちゃんがさ、恋煩いっぽいんだよねぇ。レモンだかミカンだか知らないけどぉ、そいつにゾッコンみたいだよーぉ?」
「あのマスミが人並みに恋愛するわけない」
「俺もそう思うー。でもさ?シノグ。
実際、いま若干仕事に支障が出るくらい、あのコ恋煩いしちゃってるみたいだし?
あのコもまだ、人間だったみたいだねぇ。てっきり機械だと思ってた。
ハサミ持ってるから、シザーマンみたいなもんだと」
「……お前、よくまぁ相棒の悪口をそこまで堂々と言えるよな」
「褒めてるんだけど」
「どう考えても悪口だ。
とにかく、その相手を調べねぇとな。刻まれちまう」
「それはないんじゃなぁーい。ていうかさぁ?俺だってマスミちゃん愛してたのに、なぁんで、俺のことは愛してくれなかったんだと思う?」
「マスミが相手を刻まないと言い切れるか?
たぶん、お前を愛さなかったのは、お前に愛されてるのが分からなかったからだろうな。
まぁ、あいつにとってお前は、ただの相棒だったんだろうけどな」
おわりおわり。