星々の輝き

□星々の輝き
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意識が段々としっかりしていくのと同時に裕子はゆっくりと瞼を開く。
目の前にはヘリオスから元の姿になっていたヒロコの姿があった。
ヒロコに支えられている裕子はゆっくり立ち上がった。
その背中を見るヒロコは今でも泣きそうな表情をする。
「貴女にはこんな運命を辿って欲しくなかった…」
普通に生きて、普通に幸せになって欲しい。
その想いは簡単に崩れてしまった。
「これが私の運命なら私はその運命を背負うわ」
そして銀河を、この世界を救うと言う使命も…と裕子はそう答えた。

ーーパァアアァア!!

「ッ!?…この光は!!?」
急に裕子の身体から金色の光が光り出した。
その光にヒロコは目を見開き、立ち上がる。
「ヘリオス・アクティナ・パワー!メイクアップ!!」
まさに前世の時で言ったのと同じだった。
虹色の蝶が飛び、黒の花びらが二人の周りに舞っていた。
「…やっぱり貴女は、私と同じのようです」
そう小さく呟くヒロコ。
ヒロコの目の前には凛と立つ裕子、セーラーヘリオスの姿が…。
ヘリオスは閉じた瞼をゆっくりと開ける。
彼女の瞳には何かを覚悟した様な瞳だった。
その瞳を見たヒロコは手のひらから太陽の形のロッドを、ヘリオスに差し出した。
「…これは、母が使っていたロッド?」
「はい、前世の時に託されたヘリオスの唯一の武器です」
ニッコリと微笑むヒロコ。
「今の私が持っていても仕方ありません」
「でも、このロッドは貴女が大切にしていた筈じゃ…」
「お母様も貴女に持っていて欲しいと思いますし、それを望んでいる筈です」
ヘリオスはヒロコを見た後、ロッドに目を向けた。
キラッと光る太陽のクリスタル。
「さぁ、受け取って下さい」
ヒロコの言葉にヘリオスはそのロッドを手にした。
手にしたロッドが何かを語るかの様に光る。
まるで、彼女を待っていたかの様に…。
「お願いです!この星を、銀河を救って下さい!!」
その言葉と同時にヘリオスの意識が失った。



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