星々の輝き

□星々の輝き
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「ッ!!」
目覚ましの音が鳴り響く中、勢い良く起き上がる裕子。
さっきの夢は一体…。
裕子は目覚ましの音を消すと今の時間帯に手が止まる。
現在の時間、7時半過ぎ。
「ヤバイ…!!遅刻する!」
ベッドから降り、急いで制服に着替える。
まさか自分が遅刻するなんてあり得ないものだ。
「これも全部さっきの夢の所為よ!!」
軽く朝ご飯を食べ、急いで靴を履く。
すると何か大切な物を忘れている事に気が付いた裕子。
あ、っと声を上げながらも自分の部屋に戻る。
机の上には昨日ヒロコから貰った変身用のブレスレット。
ブレスレットを金木犀のブレスレットが付けている右に填めた。
時間を見るともう遅刻する寸前に裕子は急いでマンションを出た。
体力がある裕子にはいい運動になる。
時間を見ながら急いで学校に向かう。
この調子なら遅刻はしなずに済むだろう。
「あ、裕子ちゃんだぁ!」
走っていると後ろから明るい声が聞こえて来た。
「あら、うさぎじゃない」
十番高校に転校してから一番初めに出来た友達でお団子頭が印象の月野 うさぎ。
うさぎのお陰でクラスの皆達も友達になれた。
「珍しいね、裕子ちゃんがこんな時間に居るなんて」
「そう言ううさぎは相変わらずの寝坊で遅刻?」
裕子の言葉にうっ、っと声が詰まる。
「は、走ったら間に合うもん…!」
「自信あるみたいね?なら、学校まで誰が早く着くか競争しましょ?」
「え…」
うさぎと裕子の体力の差に考えれば、普通に裕子が勝つ。
寧ろ学力と体力は学年トップ。
そんな裕子の実力に勝てない事はうさぎにも分かっていた。
「嗚呼それと、負けたら何か奢って貰うわよ?」
「そんな相手が裕子ちゃんなんだから勝てる訳ないじゃぁん!」
うさぎの叫びは裕子には届く訳が無く、只々普通に笑っていた。



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