星々の輝き

□星々の輝き
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お尻を少し強く打った裕子。
「あぁ、御免…大丈夫か?」
「大丈夫です…」
うさぎは大丈夫で済むが、こっちは大丈夫で済む所じゃない。
裕子はうさぎの下敷きになっていたのだ。
「あれ?裕子?」
「え…星野?」
ぶつかって来たのは星野だった事に呆然とする裕子。
星野はサングラスを掛けたまま、こちらに歩き寄った。
「大丈夫か?」
転けた裕子に星野は手を貸し、立ち上がらせた。
埃を払う裕子は星野にお礼を言う。
「そこのお団子頭も悪かったな」
「あのねぇ、お団子頭って言って良いのはまもちゃんだけなの!」
「へ〜…裕子、学校の帰りか何かか?」
うさぎの言葉は軽く流す星野にキィー!っと声を上げるうさぎ。
裕子はうんっと頷いた。
「そうか、気ぃ付けて帰れよ?」
「ちょっと!余り裕子ちゃんに馴れ馴れしくしないでよ!」
星野の馴れ馴れしさに気に入らないのか、うさぎは裕子に抱き付いた。
「お前もちゃんと前歩かないと危ないぞ?」
「余計なお世話よ!大体、飛び出して来たのはそっちでしょう?!」
ガミガミと言ううさぎに星野は呆然とする。
「お前変わってんな、まぁ裕子も変わってるけどな」
星野は裕子を見つめながらそう言うと、裕子達はは?っと表情をする。
「普通の女の子なら俺にぶつかると喜ぶぜ?」
「な、何で?」
うさぎが星野に恐る恐る聞くと…。
「ほら、俺って良い男だからさ」
出た答えに裕子は兎も角、うさぎまでもが駄まってしまった。
痛い目で見るかの様な表情をしながら星野を見た。
「星野何やってんの?」
「そろそろ行きますよ?」
すると星野の後ろの方から声が聞こえた。
裕子は星野の横から顔だけひょこっと出す。
その二人は彼女を見た瞬間、目を見開き裕子はあ…っと声を出す。
確か星野と一緒に居た…。
「銀髪が夜天で茶色が大気って言うんだ」
名前を教えてくれた星野は裕子にウインクする。
大気はぺこりと頭を下げ、夜天は少しだが笑った様に見えた。
「星野の友達か知り合いか何か?」
「ま、大親友って感じだな」
裕子は夜天と大気にぺこりと頭を下げた。
「じゃあな裕子にお団子頭、ラッキーだったな」
星野はまたポンポンと裕子の頭を撫でてからその場から去って行った。
また…っと思いながら去る星野の後ろ姿を見つめる裕子。
「ふん!最ッ低!ちょっと顔が良いからって!!」
どうやらうさぎは星野が少し気に入らないらしい。
逆にルナは顔を赤くしながらニャーっと鳴くのだった。




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