世界がかわってみえた
□一話
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ー入学式
ざわざわと騒がしい校舎、
今日は入学式
新入生はみな期待と不安に満たされた顔をしてそわそわしていた
「この学校可愛い子多くね?」
新入生の一人であろう男子生徒が呟いて友達と共にあたりを見回す
「あの子も、あの子も!」
「うわー、かわいい!」
「名前きいとく!?」
「誰が行く!?
……。」
品定めのように女子を見渡していた男子生徒が頬を赤くして固まった
それに続いて他の生徒も連鎖するように固まっていく
その目線の先には…
儚げで…どこか不思議な雰囲気を放つひとりの女子生徒がいた
「…名前、きく?」
「ばっか、行けるかよ!」
****
「いやー、校長の話し長い長い」
幼馴染みである あやの不満に対して すずらん はこくこくと静かに頷いた
「…っにしても、 すずらんは 目立つなぁ…
なんか人集まってきてるし」
すずらんとアヤの周りには小さな人だかりが出来ていた
全員が すずらん目当てなのだが その人だかりの中心である すずらんは、ぼへっとしてあまり気にしてない様子
「どーもー
私、清水あや 彼氏募集中でーす♥」
そんな すずらんをみて、ため息を一つしてから
アヤがそう言い放った途端に人だかりはザーっと、跡形もなく消えてく
さすがのこれにはイラつくアヤ
「効くんかい!
ムカツクー!、まあいいけど」
『…よ、しよし…』
「ん」
荒れるあやを撫でてなだめるすずらん。
パシャリとシャッターをきる音がした
『・・・?』
「さすがよ、あやちゃん!!」
「あ、すずらんママとママとパパ」
音が鳴った方向を見ると、そこにはカメラを構えるあやのお父さんとお母さん
涙ぐんだすずらんのお母さんが立っていた
そんな親3人と別れた2人が目指すのは教室
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