稲妻
□源田と佐久間
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源田くんと佐久間くん
「俺不動に告白する」
「……は⁈」
「だから佐久間は鬼道と幸せになれよ」
「待て待て待て！何だよいきなり！」
源田が真顔で述べることに、即座に疑問を投げつける。いやそもそも。何をいきなり言ってんだこいつは⁈少し前に先駆けはしないって約束したばっかだぞ⁈
「何でいきなりしようと思い立ってんだよ」
「好きだからだ」
「いや分かるし！俺も好きだよ！」
「諦めてくれないか」
「そんな簡単に言うなぁあ！」
どうやら源田に引く気は無いらしい。全くもって意味がわからないやつだ。
他の奴に告白するなら、俺もまだ潔く諦めてむしろ源田を応援するだろう。でも、でもだ。不動にだけは、その恋心を伝えるのを応援できない。俺だって好きなんだ。しかもサラッと鬼道を持ってくるあたりも腹立たしい。確かに鬼道も好きだけど！それは憧れだっての！
「あぁもう…埒があかないな」
「そうだな」
「じゃあ俺も告白する。不動に選ばせよう」
これが一番いい案だろ。ドヤ顔で源田に詰め寄ると、源田は顔をしかめて、それから首を振った。それに首を傾げると、源田は目を伏せて呟く。
「不動を困らせるなら、俺はしない。先に佐久間がするといい」
……何だよこのイケメン！馬鹿なのかよ！どこまでいい子ちゃんなんだ本当！これじゃまるで俺が悪人みたいだ。
それと同時に、わかった。源田が、どれだけ不動のことを好きだってことを。嫌だけど、俺よりも不動を分かってやれるのは、きっと源田の方なんだと。
歯を鳴らして、源田から離れる。
「あっそ。なら俺はしないさ！あぁお前が告白すればいい！」
「いいのか？」
「いいよもう！もしフラれたら俺が横から貰うからな」
「わかった。なら成功しないとな」
「嫌味な奴…！」
それでも、片手の拳を差し出した。源田の拳が、それに重なる。
「頑張れ。馬鹿野郎」
「ありがとうな」
健闘を祈ってるよ。馬鹿な奴らに。
「……あのよ。俺確かに応援するって言ったし見守るって言った」
「そうだな」
「だけどさ……！」
「何だよ佐久間ぁ。文句あんのかよ」
「有りまくりだ！目の前でいちゃいちゃするなああ！！」