長編?
□火と水と
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0.出会いのお話
「いってきまーす」
今日から高校生か……
なんだかやっとここまでって思いと、まだこんなものなのかって思いが心を行ったり来たりする。
まあ、知ってるやつもいないことはないし大丈夫だよな!
……たぶん
……でもなんだか、少し不安になったから、走った。
不安な時に、わりと気が紛れるからだ。
しかし、初日だからと気合いを入れすぎで、やたら早起きをしたせいか、少しだけ眠かった。
だから少しだけ、目を閉じて
走った。
そしたら……
──────────
「……いってきます」
そう呟き家を出て、学校へ向かっていると、後ろから何かが思いっきりぶつかってきた。
なんなんだ、と後ろを振り返るとそこには同じ制服を来た小さいやつがいた。
「なんだ……お前……」
「いってて……あ!悪い悪い!ちょっと……その、考え事してて!」
考え事しながら走って人にぶつかるのはどうかと思うが……そう思ったが、結局なにも言わなかった。
ただ、ひとつ気になった事が……
「ん、お前……高校生か?」
すごい、小さい。
ぱっと見でも中学生か、少し背の高い小学生に見える。
「なっ……おまっ、失礼だな! 制服着てるのそんな変かよ!」
……やっぱり気にしているのか、怒らせてしまったようだ。
まあ、同じ学校のようだし、これ以上変に仲がこじれても後がめんどうだから、適当に謝って退散しようとしたのだが……
「お、今気付いた。制服同じなんだな。もしかしなくても同じ学校か? んー……なら一緒に行かねえか?」
そういうわけにもいかないらしい。まあ、適当に話を合わせれば大丈夫だろうと
「あ、ああ、まあかまわないが……あと、さっきは悪かった。気にしてたのなら謝る。」
了承ついでにさっきの謝罪をした。
「よっし! あ、さっきのは……まあ、そんなに気にしてないから安心しろよ!」
……一瞬、顔が曇ったようにも見えたが、気にしないようにしよう。
しかし、変な奴だな……俺みたいな奴と行動したいのか。よくわからない。
でも、変だからか、少しだけ興味がわいた。
少しくらいなら付き合っていてもいいか、そう思っていた。