長編

□表A
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《財前ver》


「部長、俺明日休むんで」

じゃあと言い、財前は帰路につこうとした、が、部長である白石は帰ろうとする財前を止めた

「ちょっ、ちょい待ち財前。理由も言わんと休みます。は、アカんで。一応レギュラーやねんから。そこらへんはちゃんと…な」

財前は一つ溜息をこぼし頭だけ振り返ると爆弾発言を落とした。

「恋人に会いに行くんすわ」

一気に部室の温度が下がったかのように思え、面倒くさそうに頭を掻いた。

「え、何やのお前…付き合ってる子…おったん…?」

この男子しかいないむさ苦しい女に縁のない(白石除く)男子テニス部員の中に、恋人(彼女)がいると聞いたのは始めてであったためか、もしくは嫉妬心のせいか、部室に居た全員が即座に財前の方に顔を向けた
そんな部員達をも気にせず財前は言葉を並べた

「何スか、別に俺に彼女が居ても可笑しくわないでしょう」

「ほんじゃあ光はいつからその子と付き合ってたん〜?」

ナイス質問だ!と言わんばかりの顔で部員達は金太郎に感謝した

「9年くらい前からっスわ」

いけしゃあしゃあと言う財前に全員が全員驚いた。まさしく空いた口が塞がらないと例えるべきだつたからだ。
それもそうだろう、何せ財前は今中学二年生なのだ。そこから9年も遡るとなると…と考えていたら財前がお先ですと言い帰って行ってしまった
残されたもの達は呆然と財前の後ろ姿を見つめていた
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