short story

□私の大事なご主人様
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『イーブイ、おいで!』
「イブ!」

わたしはベッドの上で両手を広げて微笑む主の胸の中へ勢いよく飛び込んだ。
主であるコノハちゃんは、そんなわたしを優しく抱きとめてギュッと抱き締めてくれる。
そんなコノハちゃんがわたしは大好き。

『イーブイ、今日もお疲れ様。仕事大変だったでしょう?』

眉を下げ、何処か申し訳なさそうに微笑むコノハちゃんに、わたしはそんなことない!という意味を込めて元気よく一鳴きした。
そんなわたしを見て、コノハちゃんは直ぐに笑顔を取り戻す。

そうそう!コノハちゃんには笑顔一番だよ!

尻尾をパタパタ振って、わたしはコノハちゃんの胸元へすりすりと擦り寄る。

コノハちゃんは包容力がある。
だからこの腕に抱かれるのがわたしは大好き。わたしの一番のお気に入りの場所。

『やっぱりイーブイは可愛いね』

そう言って優しく頭を撫でてくれるコノハちゃん。
わたしはこんな主がいて幸せものだなぁ、と思う。

コノハちゃんはいつもわたしたちを大事にしてくれる。
それは他のトレーナーも一緒だけど、わたしたちの場合は危険な仕事をしているから。

ポケモンフーズも、それぞれのポケモンの好みに作り合わせてくれてる。バランスの良い栄養満点のポケモンフーズ。

仕事が終わったら、頑張ったポケモンにはご褒美のお菓子をあげたり、寝る前は何処か怪我が無いか、体調はしっかり整っているか、しっかりと診てくれる。

元気が無かったら次の日は絶対に仕事には参加させず、休ませてあげたりと、コノハちゃんはわたしたちの事をすごくすごく大事に想ってくれている。

だからわたしも仲間たちも、コノハちゃんに応えたいと心から思えるの。

「ブイ!」
『どうしたの?イーブイ。今日はいつもに増して甘えん坊さんね』

クスクス、と可愛らしく笑いながら、わたしを撫でてくれるコノハちゃん。
幸せだなぁ。

いつも思っている事がある。
わたしは何に進化しようかなって。

コノハちゃんは優しいから、わたしを無理に進化させようとはしない。
わたしがしたいようにすればいいよって言ってくれてる。

正直わたしはこのままの姿がいい。
だってこの姿は、コノハちゃんと出会ったイーブイという姿だから。

でも、いつもわたしを想ってくれているコノハちゃんの力になりたい。
その為に強くなりたい。もっと、もっと…。
進化すれば、強くなれる。

『イーブイ?元気無さそうだけど…大丈夫?』

ほらね。こんな風に些細なことでも気づいてくれる。
だからわたしは…

「イブイ!!」

もっともっと、あなたの力になりたいって思うの。

『辛かったらちゃんと言うのよ?無理はしないでね』

あなたを守れるくらい。強くなりたいの…。


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