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□6話
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06 新羅視点
「はぁ?!何それ?!俺が嘘言ってシズちゃんを困らせたとでも言いたいの?信じらんない!」
「んな事言ってねえだろうが。つかてめえ何キレてんだ。意味分かんねえだろ」
「俺が怒ってる理由も分からないんだ。脳みそ詰まってんの?しかもシズちゃんだってキレてるじゃないか!」
「あ?てめえ何だと?」
・・・・・。
うわぁーこの光景はすっごく見た事があるぞ。
机と椅子が宙を舞い、教室は荒れ果て静雄と臨也の怒鳴り声が飛び交う。
昨日とまるで一緒だ。いやそれ+αで女子の叫び声が混じってる。いやー非常に面倒くさい。
全く仲直りしないで喧嘩してどうするんだよ。
俺ははぁーとため息を吐くと静雄と臨也の元に腰を下ろすとパンパンと手を叩いた。
「はいはいそこまで!皆怖がってるよ?二人だけの世界に入るのもいいけど周りもよく見て行動しようね君達」
「二人だけの世界?俺とシズちゃんが?新羅が悪趣味なのは知ってるけど流石にドン引きだよ。」
「ノミ蟲と二人きりとかふざけてんのかてめえ」
「ちょっ何で僕が罵声を浴びなきゃならな「ていうか気になってたんだけどノミ蟲って何?」
・・・人の話を遮るなよ臨也
「てめえのあだ名だ。文句あんのか?」
「俺は折原臨也っていう名前があるんだけど?」
「てめえなんて蟲で十分だ。それにクソ悪い性格も合わせたらむしろそれ以下だろ」
「全身筋肉で出来てる奴に言われたくないね」
・・・・・。もう面倒くさいなこいつら。頼むから教室じゃないところで勝手にやっててくれよ。
そう思い、俺が椅子を持ち上げるとガラガラと教室のドアを開ける音がした。門田君だ。
「何だってこんな事に」
門田君もこの教室の有り様に驚いていた。まあ当然だ。
「ドタちん、おはよう〜」
「おはようじゃねえだろ臨也。教室荒れてんぞ。」
「うん、知ってる。全部シズちゃんがやったの」
「門田、このクソ野郎の話は信用すんな。半分は奴がやった。」
「・・・。まあどっちがやったとかは聞いてねえが、喧嘩なら仲直りした方がいいと俺は思うが」
門田君、正論だよ!ナイス!!
なんだか知らないけど本当早く仲直りしてくれよ!
「嫌。絶対嫌。こんな無神経な馬鹿と同じ空気も吸いたくないのに仲直りとか無理。」
「俺もこんな性悪な野郎と仲直りなんかしたくねえな切実に」
門田君の問いかけも俺の願いも見事に全否定した。そして門田君めっちゃ困ってるよ。
「・・・うん。まあとりあえず新羅に教室片付けさせたら駄目だろ。手伝わねえと」
門田君どこまでも正論だよありがとう。
「うん、そうだね。片付けるよ」
臨也はそう言うとやっと机と椅子を片付け始めた。その後、静雄もという感じで。
そして全く関係のない門田君も手伝ってくれた。本当ありがたい。
なんとか朝礼までには片付けは終わった。
ついでに二人の仲も終わった。
いや仲良かった時期なんて無かったかもしれないから終わったも何もないのかもしれない。
兎に角、この1年間静雄と臨也の面倒な喧嘩に付き合わなければならない事だけは確信した。