MAIN 2

□☆☆☆モブ男は見た!さん!☆
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突然ですが俺は重度の腐女子と一緒に今ディズニーランドに来ています。理由は一度も行った事が無いからだと言っていますが先程から道行く人をホモか否か確認して景色等一切目に入っていない様子です。そして俺はコイツと来た事を只々激しく後悔しています。

人がゴミの様だ。
有名な台詞ですね。でも実際本当ゴミの様です。
ゴールデンウィークの連休休み。家族連れやカップルが大半を占めていて先程はビックサンダーマウンテン待ちに1時間半を費やした。帰りたい。

DS、PSP。こういう時に活用できる物を置いてきた俺は本当馬鹿だと思った。

蒸し暑い。人が密集していることも相まって余計に暑く感じた。

「あのカップルやべえ!!まじやべえ!」

何がヤバイんだ主語を言えとツッコミを入れて横の腐れ縁の言う通り顔を上げる。

確かにヤバイ。男は洒落たキャップにサングラスをかけ顔は殆ど見えないが、そのスタイルと長身から女子の視線を浴びている。
一方女の方は、肩出しのボーダートップスにミニスカ、オーバーニーハイにピンクのハイヒールを履いている。肩まである黒髪を靡かせ、男の腕に自分の腕を絡めて歩く姿は何とも色気を感じる。

一瞬、すれ違う時俺は女の顔が気になって覗き込むようにして見てしまった。
キツくアイラインの引かれた目は怪しく鼻筋がスッと通り、薄い唇は少し赤みを帯びていた。

単刀直入に言えばエロかったのだ。


「ねえ、のりまき。アトラクション次行くよ。」


その後、スプラッシュマウンテン、スペースマウンテン、ホーンテッドマンション等のアトラクションに乗りました。全て感想が「やっべえ」の一言。殴りたくなるのを堪え、いよいよメインの夜のパレードが始まろうとしていた。

「のりまき、シズイザセンサー働かなかったね。」

「・・・。働いて欲しかったのか?」

「そりゃあーそーでしょ。」

ゴンッ。

俺は今度こそコイツの頭に拳骨をくらわせた。「いったーい」とぶうぶう文句を言うが知ったことか。俺のゴールデンウィーク返せ!

パレードが始まるという事で周囲にはまた人の群れが出来始める。

あっ・・・。

さっきすれ違ったカップルだ。

ん、あれ?

恋人繋ぎをしていた男の手が女の尻を撫でるとスカートの隙間からゆっくりと手を侵入させている。

お巡りさん!!セクハラです!セクハラ被害を受けている女性がいます!!

そう声を大にして言いたい。けれど言えない。何故かって?俺はチキンだからだ。

それに周囲も開催されるパレードに気を取られて気付いていないように見える。いや見て見ぬふりか。世間は案外冷たいな。

徐々に小刻みに女の身体が揺れ、足元がふらついている。すると、男は即、女をお姫様抱っこをして人気の無い場所へと移動するのが目に映った。

俺は行くべきなのか。いやでも女が無抵抗だったとはいえ先程の行為は完全にセクハラだ。黙って見過ごすわけにもいかない。

俺は腐れ縁の女にトイレに行ってくると嘘を言ってその場を離れ、後をつける事にした。

「......んっ....アッ.....あぁん....そこ..ばっか」

おいいいい!何か始まっちゃってるよ!夢の国で始まっちゃてるよ!

「......やぁ....こんな所で...したく...ない」

「その割には良さそうだな?下だって濡れてんだろ?」

「ちがっ…まって...ダメぇ」


・・・・。これって青かん?強姦?どっちもなのか?止めに入らなくていいのか?というか男側の声聞き覚えがあるんだが…まさか…。いやいやいや仮に平和島だとしても相手は女だ。折原じゃない。

「ほら、脱げよ臨也。」

「....。シズちゃんの....馬鹿....変態。」


折原かよ!!結局平和島と折原かよ!!あれか?2度ある事は3度あるって奴なのか?もうやめてよ俺のセンサー!

「のりまき....。あんたやっぱセンサーついてたんじゃん。」

まじ凄えよこれ。と言いながらビデオカメラで熱心に撮影している。
てめえはパレード見てたんじゃないのか。

「変態なのはてめえもだろ?Tバッグなんか履きやがって。」

「元々...シズちゃんがぁ....履けって....いやぁあ!揉まないで!」

「下、ぐっちょぐっちょじゃねーか。この淫乱。」

平和島の言葉攻めと手管であっという間にイかせられる折原。それをビデオカメラに収める俺の腐れ縁の腐女子。
何とも奇妙な光景が広がっていて俺は溜息を吐いた。

とその時だ。一瞬平和島の強い殺気の篭った視線を感じた。

いやいやいや!俺は折原に興味も欠片もありません!あるのは横にいるコイツだけです!すいませでした!

「どわぁ」

俺は直ぐさまコイツの首根っこを掴むと全速力で走り去った。
 

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