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□2話
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02 静雄視点

暴力は嫌いだ。
他者も肉親であえも傷つけ、遠ざける。
俺は元来持って生まれた能力をコントロールする事が出来なかった。
おまけに短気でキレやすかったからすぐ手を出してしまった。
だから最初俺をからかっていた奴らも俺に近寄らなくなり、最終的に一人になった。
子どもが怪我をしたと苦情を言いに家に来る親も増え、そのたびに「すいません」と謝っている親の姿を俺はただ見ているしかなかった。
俺が小学校の4年に上がる時だった。買い物帰りの母親に車が衝突しそうになってそれを見ていた俺が庇ってしばらく意識を失ったって事があった。
意識を失っていたのはほんの1時間くらいで後はすっかり何時も通りだったんだが、どういうわけか母親が事故に遭ったって事も忘れてて俺は後に母親からその話を聞かされただけだった。
軽い記憶喪失だったし自分や家族の事を忘れた訳じゃねーのに事故以外にも何か大事な事を忘れているような気がしてならなかった。
結局その何か大事な事も事故の事も思い出す事が出来ず、中学に上がった。
相変わらず暴力を振るってしまう事が多くて先生、生徒からも怯えられる日々が続き、両親は何回も学校に呼ばれた。
そういう事が重なったのと実家からだと高校が遠いという理由で俺は中学を卒業後、一人暮らしを決意した。
両親は気にするなと言っていたがこれ以上甘えるわけにもいかねえと思ってたからその言葉に気持ちが揺らぐ事もなかった。
高校から近くて安いアパートを見つけたはいいが、金が足りず情けねえことに仕送りをしてもらってやっと生活している。

プルルとガラケーが鳴ったのを確認すると小学校の時に一緒にいた新羅からだった。
「明日入学式だね」
内容はただそれだけだ。明日俺が来ないとでも思っているのだろか。

「来るから心配するな」
と打って俺はガラケーを放り投げた。

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