孤独の光

□第3章 微かな記憶
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「はっ…!やぁ…!」









何…?誰の声…?








「はああ…!!」







何を、してるのかな…?





誰も居ない何も無い暗闇で
初めて私が聞いた声…

生まれた時からこの暗闇に居る私

自分が何なのか、自分が誰なのかさえ分からない自信。

歩くことが出来ないこの身体。小さな身体。その場から動けない私は、遠くから聞こえる声に耳を傾けた





「ヒーラー!まだまだ!」

「こっちのセリフよ!ファイター!」

「二人とも、どこまで行くのですか?!」

「メイカーも早くしろよ!」



3種類の声。女性…、いや女の子たちの声?



「ほら!かかってきなさい!」

「わかってるわよ!」

「もう…。」



その直後に聞こえたのは最初に聞いたものに変わる

何をしているのだろうか。何も見たことが無い私には検討も付かなかった



「二人とも!もう戻りますよ!」


しばらくして聞こえた静止を求める声


「もうこんな時間か…」

「というか、ここどこ?」

「はあ…。周りを見ずに走り回るからそんなことになるのですよ。」

「だって、ファイターが!」

「はあ?!先に仕掛けて来たのはヒーラーだろ!」

「二人とも…。ここは立ち入りを禁止されている森ですよ。」

「なによ、それ」

「私にも分かりませんが…。プリンセスが産まれた日から、この森の立ち入りは禁じられたのです」

「プリンセスが…?」

「自然に囲まれた素敵な森なのに」

「さあ、戻りましょう。私たちにはプリンセスを守るという使命があるのだから」

「よしっ!ヒーラー、城まで競争よ!」

「えー!また?!」

「負けたらトイレ掃除よー!」

「勝手に決めないでってば!」



遠くなる楽しそうな声。

そうか。ここは森という場所なのね。

あの3人はプリンセスという人を守っているんだ。プリンセスってたくさんの人に囲まれて居るのね。私と大違い。

孤独で寂しい生活…

目を開けても閉じても暗闇しか無いの



私は一体、いつになったら私はこの孤独から抜け出せるのだろう…
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