孤独の光
□第4章
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『3人って一緒に暮らしてるのね』
「そうだぜ!3人一緒のほうが楽だしな」
「大気が全部やってくれるしねー」
夜天くんと初めて会話をした日から数日。教室の隅で彼らと何とも無い会話を交わすのも当たり前と化していた。
「そういえば大気は?」
「一人になりたいってどっか行っちゃった」
「最近ピリピリしてるよな、あいつ」
「無理も無いよ」
大気さんの話になった途端、突然暗い雰囲気になってしまった。私みたいな他人がいる中でこんな込み入ったような話をして良いのだろうか。
『きょ、今日はお仕事無いの?』
「僕と星夜は無し。大気は料理番組の収録」
『大気さん料理するの?』
「なーに言ってんだよ!俺らの飯作ってんの大気だぜ?」
『うそ…!』
確かに何でも出来そうだが、まさか料理までできるだなんて思っても見なかった私は驚きの声を漏らす。
「そんな驚くことねーだろ」
「そうそう。僕らが作るわけないんだし」
『ま、まあそうよね』
3人の中で誰かはご飯を作らなければいけない訳で、そうなれば大気が作るのが一番想像がつく。
「そうだ!名無しも見に来いよ、大気の収録!」
『え…?』
「どうせ暇なんだろ?」
…、話し始めたくらいから薄々感づいていたが。本当に彼は失礼な人だ。まあ、確かに今日はバイトも無く暇なのだが。
『部外者がそんな所行っちゃ迷惑でしょ』
「部外者じゃないじゃん」
『?』
「僕ら友達、なんだし」