タイトル未定
□第1章 第1話 暁
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黒地に赤雲の模様が入ったコート。
ずいぶんと目立つ格好をしているなあというのが、彼らを見たときのはじめての感想。
笠なんてかぶって顔を隠しているけど、大きな図体とそれに負けないくらいの背中に担いだ大きな刀を見れば嫌でも警戒心が働いてしまう。
「木ノ葉隠れの里の抜け忍、ビンゴブックS級犯罪者…間違いなさそうですね、イタチさん」
刀を担いだ大男は、隣に立つ細身の男に声をかける。
その男が声をかけられるとほぼ同時に笠をおろす瞬間、本能が逃げろと私に伝えた。
しかしそれは遅く、男の顔が視界に入った途端"あるもの"が私を捕らえて離さなかった。
「写輪眼…」
はじめて直に目にした写輪眼。
真っ赤な瞳が恐ろしく、そしてとても美しいものに感じた。
だんだんと頭の中が赤く染まる。
不思議と嫌な感じはしない。
そしてそのまま、赤い渦の中に引き込まれた。