タイトル未定
□第1章 第2話 手合せ
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ドアを抜けて薄暗い1本道を歩くと、だだっ広い洞窟の広間に出た。
そこは綺麗な円をえがくような形をしていて、蝋燭が20本近く等間隔にかけてある。
私を除いた8人は中央に集まっている。
「これから、名前と手合せをする者をこの中から1人決める。
誰かやりたい奴はいるか」
ペインが言い終わっても、誰1人として何も言わなかった。
少しショックだったが、このまま何も起きないことを祈る。
「そうだな、じゃあ…サソリ、頼む」
「なんで俺が」
「今日任務がなかったのはお前だけだ」
「チッ」
サソリと呼ばれた人はとても背が低かった。
まるで地を這っているかのようだ。
コートを着ているのでどんな姿勢をとっているのかは分からない。
ただ声が低くて、少し怖い。
自分が指名されて不機嫌なのか、殺気も感じる。