タイトル未定

□第1章 第3.5話 初任務
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突然地面に座り込んだ名前は、ガタガタと震えている。
逃げてと名前は叫んだが、俺たちの周りに人の気配はない。
それなら…なぜ?

「うう……」
「名前、一体どうした?
大丈夫か?」
「う…ううう……」

それからしばらくの間、名前は小さく唸っていた。
俺が話しかけても全く反応せず、何をすればいいのかわからない。

「…………」
「名前?」

急に、名前の震えや唸り声が止んだ。
それと同時に背中に感じた寒気。
後ろに振り返っても、人影は見えない。
ゾクゾクするようなこの感じは決して良いものではなく、むしろ悪いものだ。
風が止み、周りの音が消えた。
ハッとして名前のほうを見れば、そこに名前はいなかった。
だが、どこからか視線を感じる。
まず名前のものと考えていいだろう。

『そのときには全力でかからないと…お前たちでも危ないぞ』

リーダーの言葉が頭をよぎる。
まだ13歳のあの少女が、そこまでも危険な存在?
そのとき、真上からガサガサと葉が揺れる音がした。
相手の先を読みそこへクナイを投げると案の定、そこに名前は現れた。

「………る」
「名前」
「…に……る」

リーダーが話していたとおり、今目の前にいる相手は最早名前ではなかった。
容姿は変わらないが、表情が明らかに違う。
口は歪み、不気味にニヤついていて目は細く弧を描いている。
その表情に、思わず寒気を覚えた。
ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる名前は少しふらついていて、殺気に満ちている。

「久々に、人を殺せる!!」

名前はそう言い終わると同時に地面を蹴り、こちらに向かってくる。
想像以上の速い体術で一瞬たじろいだが、なんとか持ちこたえる。
一撃一撃がとても重い。
名前は1度俺から離れると高く飛び上がり、宙を舞った。



名前はクナイを両手で握り、俺の顔を目がけて落ちてくる。
 

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