タイトル未定
□第1章 第8話 動き
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芸術コンビとの任務では大して動いていないくせに、今日はとても疲れた。
アジトの自室に入り、シャワーも浴びずにベッドに倒れ込んでからすぐに、私は意識を手放した。
最後に目に入ったのは、枕元に置いてあるデジタル時計が示す21時ジャスト。
そして起きてすぐに目に入ったのは、最後に目にしたものと同じデジタル時計だった。
ただ違うのは時間が5時半ということ。
トイレに行こうと思って部屋を出るとその途中、まだこんな時間なのにも関わらずリビングの電気が点いていることに気づいた。
少しの隙間から覗いてみると、イタチと鬼鮫の2人がいる。
イタチの表情はいつもと少し違っているように思えた。
それほど重大な任務でもあるのだろうか。
「なんだ…名前か」
「名前さん、おはようございます」
「あっ、気づかれちゃった」
2人に気づかれて、私はドアを開けリビングの中へ入った。
私に気づいたイタチの表情は先ほどのものとは違い、いつもどおりだった。
「これから任務なんですか?」
「ええ。今から木ノ葉まで行ってきます」
「そう……木ノ葉に」
ちらりとイタチの顔を見ると、イタチも私を見ていた。
自分の元いた里に行くってどんな気持ちなんだろう。
少なくともウキウキすることはないだろう。
6時前に2人はアジトを出た。
リビングを出るイタチの背中を見ると、なぜか泣きそうになってしまった。