タイトル未定2

□序章
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役名をもらえるとしたなら「女子A」。
下手したらそれすら与えられない、私の存在はきっとそんなところ。


私のことをいい意味でも悪い意味でも普通なんだと周りの人は言う。
忍者学校(アカデミー)での総合成績は中の下。
勉強は苦手だし、他のものでカバーしようと思ったって私より下の人間よりも上の人間のほうがやや多い。
強いていうなら体術が平均より少し上くらいのものだろうか。
容姿に関しても、私の住む木ノ葉隠れの里の住人の平均ってところ。

この世界、人は誰だって主人公だなんて言う。
けどそれは違う。
私にはハッキリとわかるんだ。
必ず主人公は決まっていて、それを取り巻く主要な人物もある程度決まっている。
ここらで冒頭に戻るけど、その中で私の役名はあるのかないのか、とても危うい。

だからといって、私は自分が主人公になって目立ちたいだなんて思わない。
私は「女子A」のままでいいんだ。
忍になったなら「くの一A」として、きっとそのうち「男A」あたりと結婚して「主婦A」となり、歳をとったら「老婆A」。
そんな人生を歩む人のほうが多いのだと思うと、自然と受け入れられた。
むしろ主人公や主要な人物たちは人の何倍、何十倍の困難を乗り越えなければならないはず。
なにもかも中途半端な私では、困難なんて1つで十二分だ。
 

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