タイトル未定2

□第1章 第2話
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忍び道具一式を持って、朝食は抜いてくること。
それが今日、これからはじまるサバイバル演習においてカカシ先生から言われたことだ。
昨日は演習のために早寝をしようと20時にはベッドに入ったのに、結局緊張してしまって一睡もできなかった。
そのせいか余計にお腹が減ってしまったし、そのお腹は2時間前から鳴り止んでくれない。
こんな状態でみんなに会うのはさすがに恥ずかしかったけどカカシ先生に言われたことだ、パンを1枚口に入れかけたが我慢した。

グウグウうるさいお腹を押さえながら歩く私には、集合場所の演習場への道のりがいつもよりずっと長く感じた。
演習場に着くまでどうかこの音が鳴り止みますようにと、頭の中はそれしか考えることができない。
何度かお腹を叩いてみたりお腹に力を入れてみたりしたけど、効果はまるでない。


「すごい音だってばよ…」
「…………」

私が必死に押さえてるお腹を後ろからのぞき込むようにして顔を出した、同じ班のうずまきナルトくん。
私の最も恐れていた、この音を知り合いに聞かれるという自体はこんなに早くも訪れてしまった。
恥ずかしくて黙ってしまった私をよそに、鳴り続けるこのお腹の音を聞いて笑うナルトくんの笑顔が憎たらしく思えてくる。


「あ!ナルトに名前じゃない、おはよう」
「おっはよう、サクラちゃん!」
「お…おはよう」

演習場に着くと、そこには春野サクラちゃんとうちはサスケくんの2人がいた。
私はせめてこの2人にはお腹の音を聞かれまいと、少し離れた木陰に移動した。
ナルトくんたち3人は離れていった私を気にしない様子でいる。
一睡もしていないせいか、今になって眠気が私を襲う。
変な話、お腹の音は子守唄のように私の眠気をさらに強くさせた。
 

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