彼と私の12年戦争

□第2話
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朝起きて昨日のことが全部嘘だったと思い込んだけど、机の上に置かれたクラス表を見て肩を落とした。
高校まで同じなのがイタチくんだけだったなら、まだよかった。
でも実際は何年も前から大嫌いなデイダラもセットでついてきてしまう始末だ。
私は呪われてるとしか思えない。


チャイムの鳴る10分前に教室に着く。
相変わらず教室は賑わっていて、そういえば昨日はデイダラ以外とは話さなかったと気づいた。
登校初日が友達を作る最大のチャンスなのに、おしいことをしてしまった。

「お、おはよう!」

私を見るとすぐ反応するこの金髪野郎の挨拶なんていらない。
嬉しそうに笑っちゃって、私は真逆の気分だっていうのに。

「…おはよう」

それでも挨拶くらいは返さないといじわるかなと思って返事をしてしまう私もどうかと思うけど。
このやりとり、そのあとの反省をもう10年近く、ほぼ毎日くり返している。
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