タイトル未定

□第1章 第3話 初任務
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暁のアジトをあとにしてから約30分、私とイタチの間には一切会話はなかった。
なんだか、ものすごく居心地が悪い。
といっても暁のメンバー全員と2人きりになれば、誰だろうと居心地が悪いか。
私はイタチの後ろをついて歩くだけだ。

「…そろそろ任務先に着く。
今回の任務は、言ってしまえば残党狩りだ。
リーダーからは、上忍クラスの忍が200人程度だと聞いている」
「にっ…200……」

先が思いやられる。
暁にとっては2人で上忍クラス200人を倒すことが楽な任務なのか。
普段の任務がどんなものなのかを考えると頭がクラクラしてくる。

「俺が先に行く。
名前は援護してくれ」
「あ…でも、私……」

人を殺すことなんてできない。

イタチは私の考えを読んだのか、歩みを止めてこちらを向いた。
心臓がバクバクする。

「お前のことは昨夜、俺を含めメンバー全員がリーダーから聞いた。
"普段の"お前はそれほどの実力を持っていながら、人を殺めることなどできない。
とても忍とは思えない人間だ」

イタチの言葉に私は俯いた。
このときの私はただごめんなさい、と言うことしかできなかった。

「まあいい。
今回は俺が全て片付ける。
名前はここで待っていてくれ」
「…はい」

イタチは私の言葉を聞き終えると、一瞬で姿を消した。
それから10分も経たないうちに戻ってきたイタチには、コートにさえ1つも傷はなかった。
単純にすごいなあと感心していたが、それはすぐに恐怖に変わった。


アイツが来る。
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