タイトル未定

□第1章 第6話 休日
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「あのう、なんでしょうか」
「いいからまずは座れ」

サソリの部屋に入り、床に座る。
デイダラが言っていたとおり、サソリはピリピリしていた。
部屋中が不穏な空気に包まれる。

「…お前がヒルコをぶっ壊してから調子が悪いんだ」
「あ、え?」
「…………。
そもそもヒルコを壊すやつなんてそういないし、まずそんな奴は始末してきた…けど、お前は一応仲間だ。
だから始末されるかわりに修理に付き合え」
「はい…えっと、あのときはごめんなさい」

サソリは小さくああ、とつぶやくと傀儡の修理について話しはじめた。
どれも複雑だけど、もともと細かい作業が好きだった私はなんとかついていけた。
傀儡をいじるカタカタという音だけがする空間だけど、不思議と居心地は悪くない。
今のサソリからは、さっきのような感じはしなかった。
緊張して損したかも。

「おい、そこ違うぞ」
「え?」

接近してきたサソリにドキドキしながらも、指導をうける。
ふいにサソリから香る匂いが鼻をかすめたとき、懐かしいと思った。
どこかで嗅いだことのある匂いだ。
やわらかくて、安心するような…。

「うーん」
「あ?どうした」
「いや…なんでもないです」


この匂い、どこで嗅いだのだろう。
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