彼と私の12年戦争

□序章
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私の家はみんなが暮らす地域より少し離れていたので、中学校は自分1人だけ違う学校に進むんだとばかり思っていた。
仲の良かった子たちと離れるのは寂しかったが、そんなことよりも大嫌いなあいつと離れられる!と大喜びした。

だが、中学校入学式、私は自分の目を疑った。
自分のクラスにあいつがいる。
目をこすって見直してみても、大嫌いなあいつがいた。
せっかく楽しい中学校生活が待っていると思っていたのに、あいつのせいで地獄の生活に変わってしまう…登校初日で私はそう悟った。

しかし、そんな私にほんの少しの光が見えた。
一際目立つクラスメイトに恋心を抱いた。
その子はとてもかっこよかったしみんなに優しくて、おまけに勉強も運動も完璧だった。
ほとんどの女の子がその子に私と同じ気持ちを向けているのは一目瞭然。
あいつからの嫌がらせも、その子を見ているだけでなんとも思わなくなった。
付き合いたいだなんて贅沢なことは言わない。
ただ見ているだけで幸せだった。

中学1年2年と大嫌いなあいつと同じクラスではあったが、しばらくは部活も充実していたし、好きな子のこともあって幸せな日々を過ごしていた。
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