彼と私の12年戦争
□第1話
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チャイムが鳴るまで、トイレにこもってることにしよう。
階の端にある1組の教室からトイレはもう端の8組のすぐそばにある。
これじゃあお腹を下したりしたときに心配だという考えが浮かび、そのときのことを想像しただけで冷や汗をかいた。
1年生の教室はどこも賑わっていた。
なんとなく8組のドアから覗いだその教室の中に見慣れた顔を見たような気がして、足を止めた。
『おいイタチ、あいつお前のこと好きだぜ、うん』
中学の頃、ずっと好きだったうちはイタチくんが8組の教室にいる。
デイダラに加えてあの人まで同じ高校だなんて、あまりにも話が出来すぎている。
もしかしてこれは、あの日デイダラの鼻を殴った罰か。
だとしたら、デイダラはどこまで私の邪魔をする存在なのだろう。