彼と私の12年戦争

□第1話
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せっかくの入学式も、私の頭は常にぼうっとしていて全く覚えていない。
だからといって特に何かあったわけではないけど。

「明日は委員会やクラスの係を決めるからな。
それじゃあ解散」

担任の先生が教室を出ていくと、クラスメイトたちは朝のように騒ぎはじめた。
連絡先を交換したり、これから遊びに行こうなんて話してる人もいる。

「おい苗字、これから昼飯でも」

話しかけてきた誰かさんには悪いが、私はその声を無視した。
今誰のせいでこんなに機嫌が悪いのかわかってるんだろうか。
どこのクラスも終わったようだし、とりあえずうちはくんに見つからないように早く帰ろう。

「……う、うう」

どうしよう、急にお腹が痛くなってきた。
今朝頭をよぎったあの考えがこうも早く実現するなんて思ってもみなかった。
すぐさまトイレに行かないととんでもないことになってしまう。


入学初日、女の子がお腹を両手で押さえながら廊下を走り回るなんて最低最悪。
これもきっとデイダラの呪いに違いない。
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