ペルソナ5 〜過去を探すサファイア〜

□第八話 立ち上がる《女豹》
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〜第八話 立ち上がる《女豹》〜



――体育教官室を出て、後の事は心配するなと三島を帰らせ、三人は中庭の自販機があるベンチへと集まった。

テーブルの上には一匹の黒猫、モルガナが鎮座している。


「いやあ、凄かったなマナ殿!」

『そう?』


興奮気味に真奈を称賛するモルガナ。

そうこのモルガナ、最初に三島を問い詰めた時から真奈達の近くにいたのだ。

なので、体育教官室で何があったのかも隠れて聞いていたので知っている。

キラキラとした目で見てくるモルガナに困惑しつつも、真奈は真剣な表情で尋ねた。


『それよりも、大事なのはココからだ。
モルガナ、《改心》のやり方を教えてくれる?』

「「!?」」


《改心》をすればどんなリスクがあるのか、真奈は知っている筈だ。

それなのに教えて欲しいと言う彼女に、来栖と坂本は驚愕の表情を浮かべた。

それに対し、モルガナは冷静なもので、テーブルの上で身体を伸ばして首を傾げた。


「いいのか?
アレだけの証拠がありゃあ、正攻法での社会的抹殺は確実だぜ?」

『キミも聞いてたでしょ?生ぬるいんだよ、それだけじゃ。
いつか刑務所から出る事になっても、後ろ指差されて生きていくくらいじゃないと』


冷たい眼差しで言う真奈に、先程のやり取りを思い出したのかモルガナは毛を一瞬逆立てた。


「…ホントに容赦ねえな、マナ殿」

『それくらいの事を、鴨志田はしでかしたんだ』

「だな。だったら俺も行くぜ!
あの世界に行って、あのクソ野郎をぶっ飛ばす!」


自分の掌に拳を叩きつけて言う坂本に、モルガナは呆れた眼差しを向けた。


「…ぶっ飛ばすんじゃなくて、歪んだ欲望を奪うんだよ。
覚悟は出来たってことでいいんだよな?例の《廃人になるかも》ってやつ」

「…俺はできた。
アイツのせいで人が死にかけたんだ!もうどうなろうが知ったこっちゃねえ!」

「アキラは?」


モルガナに視線を向けられた来栖はゆっくりとだがしっかりと頷いた。


「俺も、覚悟はできてる」

「マナ殿は…聞くまでもないか」

『当然。
というか、どうにかこうにかして正気のまま改心させるよ。
でないと、罪の意識を持たせることができない』

「…ならいい」


全員の覚悟を確認したモルガナは満足そうに頷いた。



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