双子の絆と仲間の絆

□第四話
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「いや本当何年ぶりだろうね。」

あの後結局屋上へ行くことになった。

にこやかに話す真琴とは対照的に岬は相変わらず不機嫌な顔だった。

「スイミングスクールが閉鎖してから会わなくなったもんなぁ。岬は途中でやめちゃったし。」

チラッと全員が岬の方を見ると岬は不機嫌そうな声で

「そうですね。」

と答えた。

「俺ら中学も違ったしなー。」

「そうそう。あ、桜の木があるんだ。確かはるちゃん達の小学校のプールにもあったよね?」

「だからちゃんづけはやめろって。」

「だってはるちゃんははるちゃんだし。」

「みーちゃんはやめてほしいわね…。」

「ええ!?みっちゃんのほうが良かった?」

「別に。普通に明葉とか岬とかでよんでくれれば…。」

「いいじゃないか。みーちゃんって可愛いしさ。」

「ほら、まこちゃんもこう言ってるしさ!」

「橘さん。余計なこと言わないで下さい。」

「あぁ、ごめん。」

岬の機嫌はなおらずムスッとしたままだった。

「でもあのプール使われてないんだ。水泳部もない。」

少し残念そうに真琴が言った。

「それじゃあ、今はどこで泳いでるの
?」

「競泳はもうやめた。」

「何で何で!?高校に入ったらはるちゃんと泳げるの楽しみにしてたのに!」

「いつまでも子供じゃないし小学校の頃みたいにはいかないんだよ。」

「競泳はやめたけど水は好きだよ。夏は海で泳ぐし、今朝だって朝から風呂で水につかってたし。」

「いやそれただ風呂が好きなだけじゃね?」

「じゃあ温泉部つくろうよ!ねぇ温泉部〜!」

「湯あたりするから嫌だ!」

「つくろうぜ!俺ものった!」
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