GS3長編 設楽聖司×お嬢様(完結済)
□知人の知人は他人
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「……」
やはりあの顔には見覚えがある。
最近、以前にも増してそう思うようになっていた。
もう少しで思い出せそうな気がする。
パーティ?
中学校?
コンクール?
サロン?
……人と出会う機会も、人数も多すぎて全く思い出せない。
美奈子の顔を見ると、毎回、中途半端に頭の中をふわふわと撫でられているような気持ち悪さを覚える。
喉元まで出かかった記憶の掘り起こし。
もっと話せばわかるだろうか。
別に思い出したいわけではない。
思い出せない今の状況が気持ち悪いのだ。
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