GS3長編 設楽聖司×お嬢様(完結済)

□パーティ
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「素晴らしかったですわ〜。ねぇ?」
「……」
「あら」



拍手を送り、隣の設楽を覗き込む。
が、彼は舞台上をじっと見つめていた。

唇を尖らせて設楽の膝を手で揺らすと、はっとしたように目線が返ってきた。



「もう。お姉さまに見惚れちゃいけません」
「違うよ。何でそうなるんだ」



いじけたようにそう言って、どこか遠い目を前へ向ける美奈子。



「わたくしにはずっと、自分の弱さを認める強さが必要だったのですね」
「ん?」
「勝てない筈ですわ。わたくしには聖司さまやお姉さまほど……勝ちへの欲求がないのです」
「……」
「きっとどんな人でも、求めないと何も与えられない」



独り言のように静かに口を開いた。



「わたくしはそれでいい」








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