PSYCHO-PASS

□fxxk the world
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名無しさんの必死な姿が見られるのはこの時だけだ。
紅潮した顔で息を荒げ、一生懸命に縋り付いてくる姿は何度見ても愛おしい。

ソファーに腰掛けたまま自分に跨る彼女の首に口付けると、微かに呻いた。
腰の動きはまだぎこちないが、最初よりは格段に上達している。



「んー、上手。誰かで練習した?」
「してない、っ……何でそんなこと言ッ……!」
「俺フラれ続けてるし?」
「ひ、っ、ッあ゛」



顔の前で揺れる胸の先端を指で弾き、そのまま下から支えるように手を添える。
片方を親指で引っ掻きながら、もう片方はぱくっと口に含んだ。
押し返そうとしてくる腕を掴んで彼女の後ろに回して、背中ごと抱き締めた。
逃げられないように引き寄せて顔を埋める。
口腔内で硬く尖った乳首を舌で転がすと、名無しさんは震えながら動きを止めてしまう。



「部屋来んのもさぁ、デキない日狙ってんでしょ?違う?」
「ぁう、ふぅっ」



いいから動けとばかり胸の尖りを指先で捻り上げた。
根元まで呑み込んだ膣内がぐねぐねとうねり始める。



「ズルくね?返事は?」
「それだめ、っ」
「……はー」
「ひッ、……っ!!ふ、……っう……!!」



また何も答えない名無しさんに若干の苛つきを覚え、追い討ちをかけるように下から突き上げると、息を詰まらせてびくびくと震えた。
熱く柔らかい粘膜に締め付けられるが、アルコールのせいで感覚が鈍い。



「……は、ぁっ……ひっ、げほ、けほッ」
「勝手に止まんなって」
「あ、っだめ、押さな……ッ!」



背中を反らせて荒い息を吐く彼女の骨盤を両手で鷲掴む。
前後に揺すりながら下腹部に親指を押し込むと、悲鳴のような嬌声が名無しさんの口から漏れた。
離れようと押し返した為、バランスを崩して後ろに倒れそうになる。



「っぶね〜。何で逃げんの?」
「やだ、今日縢くん意地悪」
「んなことねぇし」
「嘘」



首を振る名無しさん。
誰のせいだよと言いたくなる唇を噛んで堪える。



「……じゃあさぁ」



手触りの良い彼女の髪に触れ、真っ直ぐ目の奥を覗き込んで言った。



「好きって言ってみてくんない?」
「……、」



あからさまに瞳が泳ぐ。

ぎゅうっと名無しさんの中が締め付けられた。



「何で締めんの?終わんねーって」
「……うー」
「嫌い?」
「違う、……んん」
「なに」



言い淀みながら困り果てたような彼女の目を見て、あーしつこいんだろなぁ、と自嘲する。
でも今日は引かない。
そんな気分だ。

別に返事は何だって良かった。
同僚としてしか見られないならそう言えばいい。
嫌なら断ればいい。
なのに、彼女はいつだってその瞬間口を噤む。

今日だってきっと。



「好き」
「へ?っ」



全部諦めたように名無しさんが目を合わせてきたかと思うと、頭を抱くように引き寄せられて唇が押し当てられた。
軽く一度触れて、離した瞬間に堰を切ったように何度も何度も。

理解が追い付かない。



「好き」
「……!!お、ぁっ」



名無しさんの微かな吐息混じりの声が再度耳に届き我に帰る。
同時に、停止していた脳味噌が一気に回転した。
どくんと心臓が跳ね、ついでに下腹部が熱を持つ。
彼女の背に両腕を回して思い切り抱き締めると、中がうねって搾り取られた。
くは、と息を吐きながら一番奥に吐精する。



「……ヤベ」



無意識というか不可抗力に近い。
不本意なそれに冷や汗を滲ませていると、名無しさんが耳元に囁いてくる。



「好きだよ」
「う、」



縢の肩に手を回して抱き着き返し、止めていた腰を上げた。
軽く引き抜いて徐に押し付ける。
ぶぢゅ、と厭な粘液の音が上がった。



「大好き」
「は、待っ、」
「好き」



甘い優しい声に思考が溶かされそうだ。
彼女の子宮口に当たる先端は擽ったいが、どんどんと硬さを取り戻していくのがわかる。



「ス、トップ、待った」
「んむ」



顔にまで血液が上がってきた気がして、つい名無しさんの口を手で塞いだ。



「な、何?急に。散々……」
「言わない方がよかったでしょ」



ばくばくと鳴り続ける心臓。
何回も何回も受け流されてありがとうと曖昧に笑うだけでひとつも返してこなかった筈のその言葉は、正面から殴られたような衝撃だった。

俯いた彼女の顔を手で挟んで向き合うと、初めて見る表情。
眉を下げて目元に涙を滲ませ、口元は笑っている。
憂いと諦めと愛おしさの混じった泣き顔。



「これでお互い死んだら困っちゃうね」



ああ、と理解する。

彼女には、どこかにある最悪の結果しか見えていない。



「考える余裕ある?」
「……うん?」
「そんなのさぁ、みんな一緒じゃね?潜在犯でもないちっちゃい子が道歩いてたって死ぬ時は死ぬの」



よっ、と名無しさんの腰を掴んで持ち上げ、ソファーに押し倒しながら膝の裏に腕を回す。



「んなこと考えるより、したいことあるっしょ?」
「……うん」
「何?」
「べろちゅーしながらいっぱいえっちしたい」
「ぶはっ、ぁははは!!」
「ぁうッ」
「可愛いこと言うじゃん。ビビった」
「ふ、ぅっ、あ……!」







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