真琴の彼女で高校生活

□5月
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ゴールデンウィーク。裏。









 ゴールデンウィークと呼ばれるこの一週間は、人によってはあまり関係ないものだったりする。

 例えば、部活。
 例えば、お金がない。
 例えば、ただただ休みたい。
 
 そして他にも。


「名無しさんちゃん」
「んー」
「この状況で眠い?」


 んー、と返した名無しさんは顔を真琴の首に擦り寄せて笑った。


「あったかくてきもちいー」
「何その温泉みたいな感想」


 こっちは中々辛いんですけどという文句は、悪戯心に隠れてしまう。

 押し付けてくるその顔を仰がせて、綻んだ唇に吸い付いた。
 顎に添えた手を後ろにまわし、後ろに引こうとする頭を掴む。 

 もう片方の手は背中から腰に下ろして肌理の細かい肌を撫でると、くすぐったそうに名無しさんが身を捩った。


「ふ、っぁ、は」


 唇を離す合間に漏れる息と声に煽られるままに名無しさんを揺さ振れば、びくんと震える身体。


「起きた?」
「……たまにはゆっくりしようって言ったのに」
「気変わっちゃった」


 再度唇を寄せるのと共に、真琴は両手で名無しさんの腰を掴む。
 彼女の手が彼の肩に添えられ、目が合った。

 ぐ、と持った腰を下に押し付ければ鼻にかかった声が漏れる。
 

「やだ、深……、っ」


 向かい合って、真琴の腰に跨り座る名無しさん。
 はぁ、と大きく息を吐いて、その大きな背中に腕をまわした。
 素肌が密着し、揺れる名無しさんの胸が身体の間で潰れる。


「名無しさんちゃん、可愛い」
「ぁ、」


 根元まで銜え込んだその奥がきゅうきゅうと締まる。
 こつこつぶつかる感覚に喉が震えた。

 内蔵ごと押し上げられる圧迫感に、名無しさんは詰まる呼吸を和らげようと真琴にしがみつく。

 その行動に頬を緩めた彼が名無しさんの耳に顔を寄せ、ちゅっと口付けた。
 

「……ごめん、ゆっくりはまた後で」
「えぁ、ひゃ――」


 絡み付く粘液を引き剥がすように腰を持ち上げられたかと思うと、勢いよく落とされた。
 一番奥まで一気に突き上げられ、じわりと温い快感と涙が滲む。

 もう知らない、と名無しさんもまた自ら腰を上げた。
















「ん?なに?」
「あのね、家族が旅行に行っちゃっていないの」
「……嘘だ」
「え?」
「俺も、なんだけど」
「……え?」








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