GS3長編 設楽聖司×お嬢様(完結済)

□パーティ
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引き上げて帰宅した。

部屋の前で美奈子が頭を下げる。



「楽しかったですわ。本当に感謝いたします」



その顔はいつもと変わらないように見えた。



「大丈夫か?」
「ええ。何ともありませんのよ」
「そうか。……まあ、意外と有意義だったな」



例の姉の演奏も聴けた。
それに、いつもは退屈で仕方のなかった恒久的な時間がやたらと早く経過したような気がする。
……あと、美奈子の珍しい姿も見られた。



「うちは結構こういうパーティが多いぞ」
「?」
「挨拶回りの定型文を考えておいた方がいいんじゃないか」
「??」



疑問でいっぱいの目で設楽を見上げる美奈子。



「わたくしもご挨拶いたしますの?」



今回は完全に母親の付き添いだった為、特に何もしなかったが。
あの両親はいつも主催側や付き合いのある家の者たちと色々と話し込んでいるのを設楽は知っていた。
大人になったらあれをやらされるんだろうな、等と考えて。



「将来一緒に回る気があるならだよ。わかれ」
「はい?」
「おやすみ」
「おやすみなさいませ……?」



そこまで言って彼はさっさと部屋に入ると扉を閉めてしまった。

残された美奈子はんん?と首を傾げる。



「……将来?」








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