ときメモGS2

□天地翔太が落とせない
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一目惚れだった。

ふわふわの髪に大きな目、成長途中の華奢な身体と、不安定で可愛い声。

2年生の始め、雨が降って、わたしたちは出会った。



はね学に入っても特にやりたいこともなくて、何となく始めた珊瑚礁でのアルバイトを続けているくらい。

あとはそれとなくイベントに参加して、たまに課外授業に行ったり、お買い物したり。

勉強や運動も何となくしてるからそれぞれの成績も悪くないけど、日々が漠然としていた。



そんな中天地くんと出会って、可愛い後輩だな、と思うと同時に初めて一緒にいたいと思えた。

彼を遊園地に誘ったり、公園通りでお買い物したりする休日が増えて、1年生の頃より充実した毎日に変わりつつある。

この前の調理実習のあとの出来事以降、ぐっと距離も縮まったし。



……なのに。



「美奈子」



いつもいつも意地悪ばっかりで、素っ気無くて、公私混同なんて絶対にしない人が。



「ああ。えぇと……今度の日曜日さ、おまえ、空いてる?」



照れたように目線を合わせず、普段の気だるそうで余裕ぶった彼はどこへ行ったのだろう。

あれ?

空いてる、と答えてしまう。

水族館に行こうと言われて、



「よし、決まりな?」



……何故か、わたしはオーケーしていた。

いつもはぶっきらぼうな声色なのに、やけに突っ張って柔らかい声だったから。



「オッケー。寝坊すんなよ?じゃあ」



嬉しそうな表情に、ぶわっと風が吹いた気がした。

……あれ、佐伯くん、かっこいい……?

かっこいいのは知ってるんだけど、なんていうか、違う。



「……あれ?」



佐伯くんに、デートに誘われちゃった。

これって、そういうこと……?



あ、ごめんね、天地くん。

わたし、佐伯くんの方が好きかもしれない。







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天地攻略しようとしてもいつもパラ萌え佐伯ルートにいってしまう悩み


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