GS2 × GS3長編(完結済)

□じゃないこともない
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「……ハァ」



家デートするなら言えって。

俺のこと見えてる?



「……」



いいんだ。俺は。
コウとアイツが幸せなら。それで。

でもさ。

俺のこと見なくなった。
2人とも。



いてもいなくても変わらないなら、いない方がいい。

やっぱり、ここじゃないんだ。



「……トウッ」



靴はあるから、窓から飛び降りた。
下行くと鉢合わせるし。邪魔しちゃ悪い。

……膝イテェ。


ぶらぶらしよ。




……。

…………。




「桜井弟ォ!!」
「……あ」



オフなのに。
見つかっちゃった。

咄嗟に走った。

今はいいよ。
今じゃないって。



「待てコラ、オイ!」



タイミング悪……

良いときもないけど。



「……ハァ」



面倒になって立ち止まると、3人に囲まれた。

……あーあ。



「見つけた。面貸せや」
「……」
「無視すんなよ。今日は兄貴も女もいねぇのか?」
「……」
「ハブられてんじゃねぇの」
「最近お兄ちゃんとカノジョ2人でばっか見るしな」



……。

言い返す息さえうざったい。価値がない。



そうかもしれないけどそんなことない。

コウにもアイツにもそんなつもりないことはわかってる。



「……」



……面倒だな、どうしよう。
トーソーケーロの確認……と。


向こうの方を見て、大袈裟な感じで指を突き出す。

言った。



「……あ!」



3人とも向こうを見る。

今だ!



「あ?」
「あ!待てコラ!!」
「テメェ!」



メンドーなことを終わらせる為に、たったひとつだけ残った策がある。
とっておきの。

何かを見つけたフリ作戦成功。

こっちも足を使うんだ。
逃げるんだよ!


漫画みたいだ。あいつら。



ハァ。

……街ブラすらできないの?俺。

どこ行こっか。






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