GS3長編 設楽聖司×お嬢様(完結済)
□お世話になります
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「おはようございます。聖司さま」
「……?」
朝。
うっすらと重たい瞼を開けると、知らない顔がベッドの傍で微笑んでいた。
……いや、知らなくはない。
つい昨日この顔を見た。この声を聞いた。
「うわっ!」
「きゃっ」
飛び起きると、枕元に制服を置くところだったらしい彼女も一緒に飛び上がって驚いた。
「な、かっ、勝手に入ってくるな!」
「起こしにまいりましたのに」
「いらない!返事するまで入るな!」
「あら」
声を荒げて怒った彼に、美奈子は申し訳なさそうにするわけでもなく。
ただ、承知いたしましたわとだけ告げて静かに部屋を出て行った。
静かになった部屋。
朝から嫌な気持ちになった。
このまま不貞寝でもしようかと思い寝転んだが、出席日数のことが脳裏によぎる。
イライラしながらも身体を起こすことにした。
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