PSYCHO-PASS2

□浸水
2ページ/2ページ











ぐっ、ぐっ、と一点を押し上げて揺らす指。

そのすぐ上を滑る舌。


がしゃがしゃと擦れる金属の音は耳障りなのに、名無しさんからは遠くに聞こえた。



「は、ぁあぅあいくいっちゃぁ、あ……っ、!!」



びく、と背を反らす。

呼吸が止まり、下腹部が収縮して、震えた。



「……っ、は、はぁ、はぁっ」



もう何度目かも解らないのに、絶えず腰の辺りからぞわぞわと快感が押し寄せてくる。

惚けた頭が、止まらない絶頂に恐怖を覚えた。

言葉は出てこず、唇から溢れるのは鳴き声のような呻きだ。



「あ、ぁあぁ」



もう嫌だ、と名無しさんは身体を捩るが、腰ごと腿をがっちりと押さえ込まれて動けない。

大股を広げた蛙のような格好で抵抗しても、うまく力が入らなかった。



「だめ、許して、ゆ……っ!」



充血して腫れ上がった秘核にふっ、と吐息がかかり、ぬるついた舌が押し込むように触れてくる。

全てが痛いくらいに痺れて、視界がちかちかと点滅し始めた。


何度目かの抵抗を試み、手首を拘束する錠を引いたとき。



「……あ、」



がりがり、するり、と。


暴れ回ったせいで、本物もどきの金属が限界を迎えたのか。

噛み合っていた片方が抜けて解けた。



「……」



上がった息のまま、自由になった手で目隠しを取る。


薄暗いが、微かな眩しさに目がくらんだ。


じっと目を閉じていると、宜野座が名無しさんの下半身から手を離して、上に覆い被さった。

擦り切れて赤くなった手首と、涙でぐしゃぐしゃの睫毛を見詰める。

視線を感じてゆっくり瞼を開いた。



「……」



少々ばつが悪そうに目を泳がせながら、ぎこちなく口角を上げる宜野座。

下手な笑顔だ。



「……あー」
「……」
「すまない、ーッ!?」



焦点の定まらない目をした名無しさんが彼の肩を掴んで、押し除けるように身体を反転させた。

逆に押し倒して、力尽きたように宜野座に倒れ込む。


ぐったりと抱き着いて、疲れた呼吸を繰り返した。



「ぎのさん」



掠れた声が囁く。



「許さない」
「っ」



やべ、とでもいうように彼の口角がひくついた。


シャツの中心に手をかけ、乱暴に惹く。
ぶちぶちとボタンが千切れ飛ぶが目もくれなかった。

鍛えられた胸筋と、金属の腕の接続部が露わになる。

名無しさんがはぁっと熱い息を吐いた。
濡れた舌が彼女自身の唇を這う。

荒く震えた手つきで宜野座のベルトに手をかけ、一気に全部下ろした。



「ずるい、狡い狡い」



跨ったまま、熱く蕩けた粘膜を押し付ける。
軽く擦れただけでびくりと腰が動いた。



「ぁは、ぁあぅっ」



ぐぢゅぅっ、と音を立てて飲み込む。

入り口こそすんなり入ってしまうが、奥にぶつかると痙攣で酷く締め付けた。



「あ、ぃっ、く……っ!」



下腹部がぶるぶる震えて、収縮を繰り返す。
びくんと身体を仰け反らせて、痺れるような快感を脳髄へ送り込む。
ぎゅうぎゅうと搾り取るように中が蠢いた。



「は、へぇ……っ」



浅い息を繰り返し、舌が零れ落ちる。


仰け反ったせいで手前のいいところにも当たってしまい、逃げるように脚を閉じた。



「随分と早くなったんじゃないか」
「ひ、っ、違う、散々焦らすから……!」
「じゃあ動けるな?」



腰を掴まれる。


数年前と同じなのに、立場が真逆なのは何で。



「……ぅうう、私も宜野座さん虐めたい……」



ちょっと初心な成人男性を虐めることでしか得られない栄養だってある。
それが好物だった。

だから手を出したのに。

……などと名無しさんが考えていると。



「そうか。どうぞ?」
「あ、」



さっさと動けとばかりに膝を割られ、接合部が露わになる。

崩れないように後ろと前に手をついた。



……負けていられない。
成長したって同じ人間、の、はず。たぶん。


余裕綽々な宜野座に苛立ちを覚えつつ、名無しさんは腰を上げる。



「……はー、あ」



中々抜けない。力は抜いている筈なのに。
勝手に中が締まって離してくれない上に手足が震えて上手く動かせなかった。

意思に反してぶるぶると震える手で彼に触れる。



「動けない」
「ん?」
「力、入んない……」



泣き言だ。

唇を噛む名無しさん。



「おいで」



宜野座から伸ばされた腕を掴むと、強く引かれて前へ倒れ込んだ。

ぎゅうっと強く抱き締められる。



「あ、奥、当たっ……ぅ」
「疲れたか」
「つかれた」
「それは残念」
「ひっ、あっ、あ、あっ」



名無しさんの耳元でそう言うと、腰を抱いて押さえ込んだ。

ぐりぐりぐり……と奥を押し潰されて目の前に星が飛ぶ。



「やだ、やだっ、奥、……あぁぁ」



深いところを擦られて突かれて、ぞわぞわした熱が下腹部から上がってくる。


……とんじゃう。
あー、とぶとぶ。さよなら……?




数えきれない絶頂に耐えた彼女の限界だった。

ぶつん、とブレーカーが落ちたように名無しさんの視界が一瞬真っ暗になる。






「いく、いぐっ、ァ、あぁぁあっ!」
「っ」
「……!!……っ!……!!」
「……あ。おい名無しさん」
「っはぁ、はぁッ」



獣の様な絶叫に、目を覗き込む。



「ぎのしゃ、しゅき、すき」
「……やりすぎたか」
「もっといっぱいおちんちんぐちゅぐちゅずりずりして、すき……」



焦点の定まらない蕩けた瞳に、宜野座は苦く笑う。


ふにゃっと笑う名無しさんの肩を掴むと、横へ倒して覆い被さった。
ぺちぺちと頬を叩いてみても変化なし。



「名無しさん。戻ってこい」
「はやく、はやくはやくぎのさん」
「……」



どろりとした眼。
脚を開き、自分から押し付けてくる。

水でもかけてやろうかと見渡すが手元にそんな都合のいいものはなかった。


こうなったなら仕方ない。



「あっ、あっぁつきた、きもちいのぁ、ぐぅぅうっ」
「っ……ふ」
「はぁ、ぁっ、乳首ぎゅうってして、おなかに響くの、……ぅぁ、はぇ、ぁっぁあ」
「ッ、締めすぎだ、この……」
「んぶ、ふぅっ、ふぁ、はぁぅう、きもちぃ、きもちいいっ」
「……チッ」



望み通り、充血して汗ばんだ乳首を摘み加減して捻り上げる。

あられもない嬌声。

膣奥が収縮して、搾り取るようにうねる。



「いく、おっきいのぐるっ、ぎのしゃんのおちんぽでいぐ、いぐぅぁぁッあ゛、はぁッ……!」
「くっ……あ、ッ」



身体を逸らし、痙攣した。

腹部がびくびく震え、脚に滲んだ汗が伝う。

宜野座もそんな名無しさんを抱き締めて、一番奥で吐精した。



「……へぁ……ぁ……あ、おく、ぴゅってきた……でてる……ぅん、ふ、んんっ」



閉じ籠めるように抱き込んだまま、無理矢理口付ける。


名無しさんの声はすっかり掠れていた。



「あ、あー、はぇ……」
「……ガラガラだな」
「あぅ……はっ、あれ?」
「おかえり」




















「……ぐすん」
「悪かった」
「……」
「その……。……悪かった」
「気まずいからってくりかえすな!悪魔!サディスト!変態!!」
「……ブーメランじゃないか?」
「ブーメランでした」
「立てるか」
「立てません。抱っこ」
「はいはい」
「……もうダメなんだろうなぁ」
「どうした」
「私もう絶対勝てないんだ。降伏」
「やっとわかったか」
「過去に縛られるのはやめます」
「賢明だ。ほら、シャワー出すぞ」
「わっ、きゃっ」
「……他の奴に手は出すなよ」
「ひっ……はい」







.


前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ