novel
□†雨の日の温もり
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「…何だ 騒々しい」
「いや、だっだってだって…」
涙ぐみそうになる
久しぶりにまともに宇佐見さんの顔を見れただけで
こんなにも胸が熱くなる…
「ほぅ…そんなに俺が恋しかったのか。鈴木さんなんか抱き締めて」
「ぅー…っ。ち、ちげえし!!」
思わず零れそうになった涙を慌てて鈴木さんの背中に押し付けた。
こんな格好悪い姿見せられるか!!
「んあ…っ」
「鈴木さん没収」
…しかしそんな思いもすぐに剥ぎ取られ、真っ赤になった顔をまじまじと見つめられた。
「鈴木さん返せよ!」
「俺の言ったことが聞こえなかったのか?鈴木さんは、没収だ」
もう一度執拗に繰り返されカチンとくる。
さっきまでの寂しさなんて吹っ飛んで
今は鈴木さんを返してもらうことだけしか考えられなくなった。