short

□sweet dream
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「もしだよ?もしこのまま眠って明日、目が覚めなかったらどうする?」


「・・・何それ?」


「だから、もしも、の話し」



微睡みの時間の中
まだ少し熱を持ったままの体を優しく撫でながら
ルハンが尋ねてくる



「目が覚めないって、死んだとしたらって、例え?」


「うーん、なんでもいいけど」


「…」



何を急に
どんな答えを期待してそんな質問をしてくるのか…



「ミンソク?」



いたずらな顔をしながら鼻を擦り合わせてきて、覗き込まれる



「ちょっ…こらっ…」



肩をなでていた指が意味ありげに背中に落ちてきて
思わず体を捩ってしまう



「もう・・・、くすぐったいから・・イタズラするなよ」


「ケチ・・・。今日はもうしないから、触るだけならいいじゃん」



そう言いながら、笑って、わざと耳元で囁いてくる
擽ったいのに・・・



「ねぇ・・・それより、質問の答えは?」



(この・・・っ)



がばっと、起きて、ルハンに跨り肩を押さえつける

体制は俺が覆いかぶさっているのに、ルハンの余裕な表情にちょっとイラつく



「…お前は俺が目覚めなかったらどうするの」


「だーめ、ミンソクの答えが先」


「あっそ…」


「早く?」


「俺がもし、明日死ぬかもってわかっていたら、先にお前を殺しとくけど」


「…それちょっと怖いけど」



言葉の割には嬉しそうな顔してる


「お前、多分俺なしで生きていけないと思うから
 俺が死んでたら、すぐ後追いしそうだし?
 苦しむくらいなら先にやってあげるっていう俺の優しさ?」


「ヤンデレだなぁ」



笑いながら膝を立ててくるから、俺は前のめりに体制が崩れてしまって
掴んでいた手が外れてしまう



「あっ…ぶないだろ…ばか」



そう言いながら、ルハンの顔の横に手を着くと
するすると、首に腕が回されて、引き寄せられそうになるのを
透かすように自分から顔を近寄せる



唇が重なりそうになるほどの距離で



「・・・お前はどうするの」


「ふふ、俺はね?」



軽く頭を持ち上げて、ちゅっ、と触れてくる



「一緒に目が覚めないならそれが一番幸せ。だけど
 俺が先に死んだらミンソクに一生とり憑くかな?」


「何それお前の方がヤンデレだよ」


「ははっ」


「ずっと一緒にいたいってだけだろ」


「そうだね」


「だったらそういえばいいだろ…変なこと聞くな」


「はい、はい」


「…一緒にいるよ」


「うん」



そういってお互いの顔を包み込みながら
2人で笑ってまたキスをして



「ミンソク・・好きだよ」


「うん」


「愛してるから」


「うん」



クスッと笑い合って、抱きしめ合って



「幸せだね」


「うん」


「…俺も幸せだから」




……甘い夜はまだまだ終わらない

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